1998 Fiscal Year Final Research Report Summary
着床初期過程における栄養膜細胞と子宮内膜との相互作用に関する研究
Project/Area Number |
08671875
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
清水 康史 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (80242197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
己斐 秀樹 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (20280969)
久保田 俊郎 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (50126223)
麻生 武志 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (60093176)
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Project Period (FY) |
1996 – 1998
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Keywords | 栄養膜細胞 / extravillous trophoblast / 浸潤 / matrix metalloproteinase / 着床 / トロンビン / 細胞内pH / Na^+ / H^+ antiporter |
Research Abstract |
着床・胎盤形成の過程では、調和のとれた栄養膜細胞の子宮への浸潤が不可欠であるが、その調整機構の詳細は不明である。ヒト初期絨毛から得られる絨毛外栄養膜細胞(extravillou trophoblast:EVT)およびマウスの胚盤胞より伸展する栄養膜細胞を用いて栄養膜細胞の伸展・浸潤の制御機構の解明を試みた。トロンビンレセプター(Protease-activated receptor1)がヒトにおいて子宮への浸潤が強い時期に一致し、脱落膜に浸潤する栄養膜細胞(EVT)に特異的に発現していた。われわれが初期絨卦り分離したEVTは、トロンビンレセプターを発現しており、Matrigel invasion assayによりトロンビンの添加によりEVTの浸潤能が促進されること、また定量的な解析によりそれらがmatrix metalloproteinaseの活性化によりもたらされていることを明らかになった。トロンビンがEVTの表面に発現するMT1MMPを誘導・活性化して、細胞表面でMMP2の活性化が起き浸潤が促進されている可能性が強く示唆された。一方、マウス胚盤胞の栄養膜伸展の過程では、Na^+/H^+ antiporterが機能していることが、選択的阻害剤の添加実験及び共焦点レーザー顕微鏡を用いての細胞内PHの測定の結果から明らかになった。伸展の過程で重要な細胞内のセカンドメッセンジャーとして機能していることが予想された。特に前者の実験系は、種差の問題が無く、ヒト着床の機構の解明に有用であり今後の発展が期待される。
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Research Products
(1 results)