1996 Fiscal Year Annual Research Report
子宮頚癌発生に関係するタイプのヒトパピローマウイルスに対する血清診断法の開発
Project/Area Number |
08671877
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
笹川 寿之 金沢大学, 医学部・附属病院, 助手 (30272975)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 正樹 金沢大学, 医学部, 教授 (10127186)
|
Keywords | 子宮頚癌 / ヒトパピローマウイルス / ワクチン / 血清診断 / 疫学 / 免疫 |
Research Abstract |
1.子宮頚癌発生に関係するタイプのヒトパピローマウイルスに対する血清診断法の開発 2.日本(北陸地方)と中国(東北部)におけるHPV感染状況と子宮頚癌のリスクファクターの検討(成果) 1.我々は、将来の予防的ワクチンの可能性を検討するため酵母からHPV6,16型VLPを生成するシステムを世界で初めて開発した。このVLPを抗原にしたELISA法を用い患者の抗HPV抗体価について検討した。HPV6,16型感染患者血清中にに抗HPV6・16抗体が高率に誘導されていた。HPV感染の初期にはIgA・IgM抗体が出現し、やや遅れてIgGが出現する傾向を認めた。HPV16型VLP抗原に対して、DNA sequenceでHPV16型に近いタイプのHPV31,33,35,58型は血清学的も交差反応し、HPV18,45型は交差しないことを証明した。IgA・IgG抗HPV抗体の上昇はHPV感染特異的であり、IgM抗体の反応は非特異的であった。頚部細胞診正常のコントロール群に比べ子宮頚部異形成や頚癌の女性では有意に抗HPV抗体価の上昇がみられ、今後、細胞診を補足する診断法になる可能性を明らかにした。 2.細胞診正常の女性では、中国に比べ日本ではHPV31型が、中国ではHPV58型が多い傾向を認めた。HPV16,18,31,33,35,52,58,59型は両国においてhigh-risk typeであり、これらのタイプの感染は、子宮頚部前癌病変(SIL)や頚癌(CC)に対して、最も重要な危険因子であった。そのほか、未婚女性、結婚後5-20年、3回以上の妊娠・分娩、喫煙などが危険因子であったが、喫煙以外はHPV感染に従属する危険因子であった。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Toshiyuki Sasagawa: "Serological Responses to human papillomavirus types 6 and 16 virus-like particles." Clinc.Diag.Labo.Immunology. 3. 403-410 (1996)
-
[Publications] Misuzu Shimakage: "Involvement of Epstein-Barr virus expression in testicular tumors." J.Urology. 156. 253-257 (1996)
-
[Publications] Toshiyuki Sasagawa: "Human papillomavirus infection and risk determinants for squamous intraepithelial lesion and cervical cancer in Japan" Jpn.J.Cancer. 88(in press). (1997)