1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08671887
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山口 正明 大阪大学, 医学部, 助手 (70273662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田坂 慶一 大阪大学, 医学部, 助手 (50155058)
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Keywords | Activin / Inhibin / sIL-6R / cAMP / マウス / 胎盤 |
Research Abstract |
本研究では、マウス胎盤の初代培養系を用い、sIL-6R、アクチビン、およびインヒビンの発現を調節する因子および調節機構の解明を目的とするが、平成8年度は主にアクチビン、インヒビンの発現調節因子の検索を主に研究をすすめた。アクチビン、インヒビンに対する抗体が入手困難なため、タンパクレベルの発現の評価ができないため、ノザンブロット解析を用いたアクチビン/インヒビンのサブユニットのmRNA発現量の解析を行い、遺伝子レベルでの発現調整因子の検索を行った。まずアクチビン-Aを用い、アクチビン/インヒビンサブユニットのmRNA発現へのフィードバック機構の有無について検討した。しかしながら、アクチビン-Aによるフィードバックは認められなかった。次にマウス胎盤において種々のタンパクの発現を調節しているcAMPの誘導体である8-bromo-cAMPを用い、アクチビン/インヒビンサブユニットのmRNA発現を検討したところ、8-bromo-cAMPはα-サブユニットmRNAの発現を抑制するが、β_Aβ_BサブユニットmRNAの発現は亢進させることが発見された。また、8-bromo-cAMPと同様に、細胞内のcAMP濃度を上昇させるフォルスコリン、コレラ毒素も、同様の作用を持つ事がわかった。以上のことにより、細胞内のcAMPの濃度がアクチビン/インヒビンサブユニットのmRNAの発現調節の重要な因子の一つであることが解明された。また、本研究の目的の一つであるヒトおよびマウスの血清中sIL-6R濃度の生理的変動の解明についてであるが、ヒトで夜間に血清sIL-6R濃度が上昇する事が発見され、現在さらなる検討を加えている。
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