1996 Fiscal Year Annual Research Report
婦人科腫瘍特に絨毛癌・胚細胞系腫瘍におけるゲノム・インプリント解除の解析
Project/Area Number |
08671888
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
下屋 浩一郎 大阪大学, 医学部, 助手
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 一昌 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
徳川 吉弘 大阪大学, 医学部, 助手
東 千尋 大阪大学, 医学部, 助手 (20151061)
佐治 文隆 大阪大学, 医学部, 助教授 (90093418)
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Keywords | 絨毛癌 / 胚細胞系腫瘍 / ゲノム・インプリント解除 / HLA-G遺伝子 / IGF2.H19.SNRPN遺伝子 |
Research Abstract |
婦人科腫瘍特に絨毛癌・胚細胞系腫瘍におけるゲノム・インプリント解除の解析について検討すべく行った研究において、以下の研究成果を得た。 1)絨毛癌におけるHLA-G遺伝子のゲノム・インプリント解除の解析を行うためにまず正常ヒト妊娠胎盤におけるHLA-G遺伝子のゲノム・インプリント解除を行った。初期妊娠および後期妊娠胎盤におけるHLA-G遺伝子のゲノム・インプリント解除の解析の結果HLA-G遺伝子のゲノム・インプリント解除は正常胎盤においては認められなかった。これらの結果について論文に発表した。さらに絨毛癌・胚細胞系腫瘍におけるHLA-G遺伝子のゲノム・インプリント解除について現在解析を進めている。 2)卵巣の良性奇形腫におけるIGF2,H19,SNRPN遺伝子のゲノム・インプリント解除およびメチル化について解析した。その結果、IGF2,H19遺伝子についてはゲノム・インプリント解除がみられたが、そのRNA発現量は感度以下であり、且つメチル化についても低度であった。このことはIGF2,H19遺伝子については卵巣の良性奇形腫の腫瘍化における関与は低いものであると考えられた。これらの結果について現在論文に投稿中である。 3)婦人科腫瘍の一つである悪性混合ミュラー管腫瘍についてH19,SNRPN遺伝子のゲノム・インプリント解除およびメチル化について解析を行ないこれら両遺伝子が悪性混合ミュラー管腫瘍の腫瘍化において重要な役割を果たしていることを解明した。この結果について論文に発表した。
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[Publications] K.Hashimoto et al.: "Loss of of H19 imprinting and upreguration of H19 and SNRPN in a case with malignant mixed ullerian tumor of the uterus" Hum Pathol.
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[Publications] K.Hashimoto et al.: "Biparental alleles of HLA-G are co-dominantly expressed in the placenta" Jpn J Human Genet.