1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08671904
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
有馬 隆博 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (80253532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和氣 徳夫 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (50158606)
加藤 秀則 九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (60214392)
西田 純一 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (40264113)
加藤 聖子 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (10253527)
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Keywords | ゲノムインプリンティング / RLGS法 / IGF2-H19 / 癌抑制遺伝子 / 胞状寄胎 / ヒト絨毛組織 / 絨毛癌 |
Research Abstract |
A.胎盤の発生・分化に関与するインプリント遺伝子の検索:胞状寄胎組織は2つの対立遺伝子が父親に由来し、正常絨毛組織は父親、母親双方に由来する。このゲノム間の特徴が表現型の決定に関与することを利用し、各々の組織のDNAを用い、RLGS法にインプリント遺伝子の単離を行っている。DNAはNotI、AscIのメチル化感受性制限酵素をランドマークに用い、ゲノム上の数千個の遺伝子を一挙にスクリーニングした。さらに、目的とするスポットをクローニングした。現在のところ約100個の遺伝子のクローニングに成功した。いずれもサザンブロット法にて、アレル特異的メチル化を示しており、全塩基配列の決定を行っている。これらの遺伝子がインプリントを反映しているものなのか、今後解析しその遺伝子の胎盤発生および分化の意義について解析を加えていく。 B.ヒト絨毛組織におけるIGF2・H19遺伝子の発現制御機構の解析と癌化への関与:本邦での絨毛癌の組織の入手は困難なためインドネシア・パジャジャラン大学より絨毛癌組織9例を入手した。H19はIGF2と近接した位置に存在し、各々逆のパターンを示すインプリント遺伝子であると同時にIGF2は癌遺伝子として、H19は癌抑制遺伝子としての機能を有することが胎児性癌で報告されている。以前我々の解析した結果では、絨毛癌ではH19の発現の亢進と全領域での高メチル化のパターンを示し、胎児性癌との異種性を示した。まずH19の1次構造は、プロモーター領域で多数の塩基変異を認めた。これらの変化は、ほとんど転写調節領域にあり、おそらくH19発現の抑制を解除し、過剰発現を誘導する可能性が考えられた。そこでそれらの絨毛癌を用い、H19プロモーターの欠失を保有する10種類のH19遺伝子を発現ベクターに組み込み、そのプロモーター活性について、CATアッセイを行った。その結果、翻訳開始より上流約200塩基〜160塩基の領域で発現調整を左右することが判明した。現在調節因子の同定を行っている。 C.絨毛癌抑制遺伝子の単離・同定:以前我々はヒト7番染色体長腕のERV3及びD7S502領域は絨毛癌細胞株で高率に欠失することを同定した。さらにヒト正常7番染色体を絨毛癌細胞へ単一移入し、造腫瘍性の抑制とともに、同遺伝子発現の回復が観察されている。これらの結果より絨毛癌抑制の遺伝子の単離に、共通欠失領域を含むYACクローンを選択し、さらにERV3とD7S502を含む領域のコスミドマップの作成は完了した。現在エクソントラッピング法にて抑制遺伝子の同定を行っている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Arima T: "Malignant trophoblastic Neoplasms with Different Modes of Origin." Cancer Genet Cytogenet. 85. 5-15 (1995)
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[Publications] Sakamoto T: "Poor correlation with Loss of Heterozygosity on Chromosome 17p and p53 Mutations in Ovarian Cancers." Gynecol.Oncol. 65. 173-179 (1996)
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[Publications] Kato K: "The level of ER protein expression is increased in NIH3T3 cell transformed by oncogenic K-Ras 4B : Sex Steroid Hormone Action In in vitro culture syste." Churchill Living stone Japan. 31-40 (1996)
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[Publications] Kato K: "Analysis of danazol action ; Endometriosis today." Parthenon Publishing. (in press).
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[Publications] Arima T: "Association of IGF2 and H19 imprinting with choriocarcinoma development." Cancer Genet Cytogenet. (in press).
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[Publications] Kanuma T: "Alterations of the p16INK4A gene in humen ovarian cancers." Molecular Carcinogenesis. (in press).