1996 Fiscal Year Annual Research Report
黄体退縮・排卵・卵胞閉鎖に働く共通のホルモン,メカニズムについて
Project/Area Number |
08671909
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
遠藤 俊明 札幌医科大学, 医学部, 講師 (90213595)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 弘 札幌医科大学, 医学部, 助手 (30210553)
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Keywords | 黄体退縮 / 排卵 / 卵胞閉鎖 / GnRH / prostaglandin F2α / Growth hormone / matrix metalbproteinase |
Research Abstract |
我々はラットにおいてはプロラクチンの変化により黄体にstructural luteolysis(SL)がおこり、その時matrix metalloproteinase(MMP)-2の活性化とapoptosisがおこる事を明らかにしてきた。今回我々は、排卵・卵胞閉鎖に関係しておりヒトと共通のホルモンであるGnRHに着目し、GnRHaを用いてこれがプロラクチンと同様にラットでSLを起こしうるかどうかを検討した。今回の研究ではGnRHa投与開始翌日から血中プロゲステロンが低下し、3日目から明らかな黄体の縮小を認めた。組織学的検にはこの黄体は黄体径が明らかに縮小しており、また黄体組織中に著明な間質系の細胞の増加を認めプロラクチンによるSLと共通している事が明らかになった。この時黄体組織のzymographyでMMP-2活性の有意な上昇を認めた。またこの黄体の細胞膜フラクションをFCSを基質としてincubationし、それをzymographyで検討するとFCS中のMMP-2の不活性型を活性型に変える事が判明した。つまりこれは膜にmembrane type-MMP(MT-MMP)様活性が存在する事を示している。またこの黄体中にMT-MMP mRNAが存在する事をnorthern blottingで証明した。またこのGnRHaの作用は同時にhCGを投与してもブロックできない事から、LHを介したものではなく黄体に対する直接作用である事が推察された。
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[Publications] 木谷 保: "ラット黄体のプロラクチン誘発Structural luteolysisにおけるアポトーシスの検討" 日本産科婦人科学会雑誌. 48. 147-148 (1996)
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[Publications] 遠藤俊明: "生殖細胞シリーズ:15.黄体の形勢・維持・退縮機構について" 臨床医学. 32. 459-468 (1996)
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[Publications] 遠藤俊明: "過酸化水素のヒト黄体化顆粒膜細胞内ATP濃度への影響ならびにATPの濃度変化とluteolyticeffectとの関連性について" 日本産科婦人科学会雑誌. 48. 1158-1159 (1996)