1996 Fiscal Year Annual Research Report
婦人科癌とくに子宮内膜癌・卵巣癌における遺伝子異常の解析
Project/Area Number |
08671910
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
寒河江 悟 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00187056)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二瓶 岳人 札幌医科大学, 医学部, 助手 (30274939)
工藤 隆一 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70045409)
|
Keywords | 婦人科癌 / 子宮内膜癌 / 卵巣癌 / 遺伝子異常 / LOH / 癌遺伝子 / 癌抑制遺伝子 / テロメレース活性 |
Research Abstract |
今年度はまず子宮内膜癌におけるsouthernブロット、LOH、各種のCAリピートマーカーを用いて、PCR法で増幅し、RERならびにLOH解析を行った。その結果、子宮内幕癌では有意に卵巣癌と比較し高率にRERが検出され(Genes,Chromosomes & Cancer1995)、そしてそのDNA修復過程における遺伝子異常の解析では1例にtwo hit変異を認めた(Jpn J Cancer Res 1996)。遺伝性大腸癌とは若干メカニズムは異なるものの子宮内膜癌においてはDNA修復遺伝子異常がその癌化や進展に重要であることが判明した。 一方、我々は卵巣癌細胞において癌抑制遺伝子とHSPが分子会合していることを報告してきているが、癌免疫の分野においても癌化に伴う細胞表面抗原がHSPと関連し、発現の調節を行っていることを突き止め(J Immunol 1996)、臓器移植での拒絶反応や腫瘍拒絶抗原としてのHSPの重要性を報告した(Artificial Organs1996)。 また卵巣癌では種々の染色体においてLOHが検出されており、その部位には新たな癌抑制遺伝子の存在が示唆され、以前より検討してきた6番染色体長腕に存在が推定される遺伝子座を300kbにまで絞り込んだ(Cancer Res 1996)。近年他施設でも6番染色体における遺伝子のcloningが進んでおり、新しい遺伝子の発見が期待されている。さらに、卵巣癌における予後因子としての組織分化度が臨床的にどの程度正確に診断されているか、またどの程度他の遺伝子異常との関連があるのかを検討した。その結果、LOHでは分化度では特別な傾向はなく、p53遺伝子異常が低分化型に多い傾向を認めた程度であった。今後も症例を増やし検討を予定している。
|
-
[Publications] Kobayashi K,Sagae S et al.: "Microsatellite Instability in Endometrial Carcinoma" Genes,Chromosomes & Cancer. 14. 128-132 (1995)
-
[Publications] Kobayashi K,Sagae S et al.: "Mutational Analysis of Mismatch Repair Genes, hMLH1 and hMSH2," Jpn J Cancer Rec. 87. 141-145 (1996)
-
[Publications] Takashima,S,Sagae S et al.: "Interaction Between Cell-Surface-Expressed 70-Kilodalton Heat shock Pro" Artificial Organs. 20(8). 857-861 (1996)
-
[Publications] Takashima S,Sagae S et al.: "Involvement of Peptide Autigers in the Citdosicity between,70-KDaHS" J.Immunol.157. 3391-3395 (1996)
-
[Publications] Saito S,Sagae S et al.: "Definition of a Commonly deleted region in Ovarian Carers to 300Kb" Cancer Res.56. 5586-5589 (1996)
-
[Publications] 寒河江 悟 他: "卵巣癌の分化度診断と分化度による治療の諸問題" 日本婦人科病理コルポスコピー学会雑誌. 14. 172-178 (1996)