1997 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内膜症および子宮内膜癌の浸潤・進展形式とpump-1その他MMPの関与形態について
Project/Area Number |
08671911
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
藤井 美穂 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00260761)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 隆一 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70045409)
澤田 典均 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (30154149)
寒河江 悟 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00187056)
遠藤 俊明 札幌医科大学, 医学部, 講師 (90213595)
|
Keywords | pump-1 / MMP-7 / MMP / in situ hybridization / zymography / 子宮腺筋症 / 子宮内膜症 / 子宮内膜癌 |
Research Abstract |
1.ヒトpump-1cDNAからprimerを選択後、この増幅産物をプローブとしin situ hybridizationを施行し、ヒト正常子宮内膜、子宮腺筋症、子宮内膜癌組織中のpump-1(MMP-7)の発現形態を観察した。各組織に対して行ったRT-PCRの結果と一致し、上記すべての組織に発現が認められた。正常内膜組織に比べ、内膜癌組織における発現が強く、腺組織に局在していた。 2.子宮内膜癌の浸潤機序と同様、子宮腺筋症、子宮内膜症の進展にMMPが関与していると考え、組織homogenateを用い、zymographyを行った結果、上記組織中のMMPが認められたが、組織内でのゼラチン消化活性を観察する目的で、in situ zymoraphyを行った。内膜癌組織では強い消化活性を認め、子宮腺筋症、子宮内膜症では比較的弱い消化活性を認めた。 3.子宮腺筋症、子宮内膜症の進展にMMPなどproteinaseが関与する一方、異所性内膜組織の増殖能を検討する目的で、正常子宮内膜、子宮腺筋症組織に対し、抗PCNA抗体、抗MMP-7抗体を用い免疫組織学的に発現形態を検討した。正所性内膜細胞に比べ異所性内膜細胞においてMMP-7の発現は強く、発現率も高かったが、増殖能の指標と考えられるPCNAの発現は大きな差は見られなかった。 4.子宮腺筋症における異所性内膜細胞の走査型、透過型電顕像所見を観察すると、ciliaの異常など分泌能に関与すると考えられる異常所見が認められた。これは異所性内膜細胞の培養細胞においても同様の結果であった。 5.以前の我々の報告も含め考察すると、pump-1(MMP-7)はmRNAレベルでは正常子宮内膜、子宮腺筋症、子宮内膜癌組織において発現が認められたが、タンパクレベルでは子宮内膜癌、子宮腺筋症組織における発現のみ陽性で、正常内膜組織での発現は認められなかった。子宮内膜癌、子宮腺筋症組織ではpump-1のタンパク合成が活性化され、その浸潤に関与している可能性もあると考えられた。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 廖 英 他: "異所性内膜における増殖能とマトリックスメタロフ-ロテネース(MMP)の発現" エンドメトリオージス研究会会誌. 18. 49-52 (1997)
-
[Publications] 寒河江 悟 他: "ヒトがんでの遺伝子異常と遺伝子診断 婦人科腫瘍" 蛋白質 核酸 酵素. 42・10. 1762-1770 (1997)
-
[Publications] Toshiaki Endo: "Effects of estradiol and an aromatase inhibitor on progesterone production in human cultured jutead cells"
-
[Publications] Fujii M et al: "Endometriasis Today/advances in research and practice" The Parthenon Publishing Group, 756 (1997)