1996 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト子宮体部癌肉腫の組織発生に関する細胞生物学的・分子生物学的研究
Project/Area Number |
08671914
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
五来 逸雄 横浜市立大学, 医学部, 講師 (70162170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮城 悦子 横浜市立大学, 医学部, 助手 (40275053)
仲沢 経夫 横浜市立大学, 医学部, 助手 (90254169)
平原 史樹 横浜市立大学, 医学部, 講師 (30201734)
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Keywords | 癌肉腫 / ヒト子宮 / 細胞株 / 組織発生 / サイトケラチン / 異種移植 |
Research Abstract |
癌肉腫は病理組織学的に上皮性と非上皮性から成る腫瘍で,ヒト子宮体部癌肉腫の組織発生に関する研究はこれまで主として摘出物標本の病理組織学的検討によりなされてきた.細胞レベルで解明する目的で本年度は本腫瘍細胞株をヒト子宮腫瘍を材料として樹立した.ヒト子宮癌肉腫細胞株EMTOKAは63歳の日本人女性の手術時摘出標本よりディスパーゼによる酵素処理にて得られ,細胞形態は変化に富みHE染色にて円柱細胞,小型上皮細胞,中型ないし大型上皮様細胞,悪性腫瘍巨細胞,紡錘型細胞,円型細胞を光学顕微鏡にて観察した.免疫組織化学的手法による染色ではサイトケラチンは弱陽性にビメンチンは強陽性であったがデスミンは陰性であった.紡錘型細胞を除くすべての細胞でサイトケラチンは陽性であり,一方ビメンチンは小型上皮細胞のみ陰性であった.S-100蛋白は円型細胞のみ陽性,II型コラーゲンは円型細胞,中型ないし大型上皮様細胞および軟骨細胞の前駆細胞と考えられる悪性腫瘍巨細胞で陽性であった.サイトケラチンとビメンチンの二重染色では悪性腫瘍巨細胞および中型ないし大型の上皮様細胞は両者に同時に陽性であった.EMTOKA細胞をヌードマウスに皮下移植すると2カ月後に径1cmの腫瘍形成を認めた.移植腫瘍の組織病理学的検討にて癌成分と肉腫成分の両者が認められ,前者では乳頭状あるいは管状の構築,後者では紡錘型線維細胞および軟骨成分を含み,すべて原腫瘍と同一の所見が観察された.
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Research Products
(1 results)