1996 Fiscal Year Annual Research Report
閉経とエストロゲン補充療法が女性の脳血流に及ぼす影響について
Project/Area Number |
08671920
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
大藏 健義 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (80092394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢追 良正 獨協医科大学, 医学部, 教授 (00014340)
岩崎 尚彌 獨協医科大学, 医学部, 教授 (50176541)
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Keywords | 脳血流 / 小脳血流 / 局所脳血流 / エストロゲン / エストロゲン補充療法 / エストラジオール / 閉経 / 閉経後女性 |
Research Abstract |
研究課題1.閉経が脳血流に及ぼす影響:44〜50歳の非閉経群10名(平均年齢±SE:46.7±0.6歳)と閉経群10名(46.9±0.6歳)の大脳の平均血流量(CBF)を^<ggm>Tc-ECD法で測定して比較した。CBF(m1/100g/min)は、非閉経群47.1±0.6(SE)で、閉経群44.0±1.1より有意に大きかった。(p<0.05)。50歳以下及び51歳以上についても例数を増やして更に検討する予定である。研究課題2.使用量のエストロゲン補充療法(ERT)が脳血流に及ぼす亜急性の効果:自然閉経女性12名(平均年齢±SE:51.7±1.4歳)に結合型エストロゲン(CEE)0.625mg/日を3週間投与して、その前後に大脳血流量(CBF)、小脳血流量(C_<b1>BF)、局所脳血流量(rCBF)を測定した。CEE投与により、CBF(m1/100g/min)は44.0±1.5(SE)から46.8±1.4(平均増加率±SE:6.4±1.4%)に、C_<b1>BFは48.2±1.8から50.6±1.7(平均増加率±SE:5.2±1.3%)に、有意に増加した(p<0.01とp<0.02)。rCBFも、左右の前頭部、側頭部、頭頂部、運動野で有意に増加した。5名のコントロール群では、CBF,C_<b1>,rCBFのいずれでも有意な変化はなかった。研究課題3.比較的高用量のERTが脳血流に及ぼす影響:以前、大藏らが行った報告では、対象が早期閉経と手術による閉経症例が多く、平均年齢も43.7歳で若かった。しかも、HRTを4週間中断してからERTを再開し、脳血流量の平均増加率は約30%に達した。今回新たに自然閉経症例10名(平均年齢±SE:53.3±1.2歳)にCEE1.25mg/日を3週間投与して再検討した。CBF(m1/100g/min)は43.9±1.5(SE)から46.7±1.7に有意に増加したが、平均増加率は6.4±2.0(SE)%で、低用量の増加率と同じであった。低用量CEE投与時の血中エストラジオール濃度(約50pg/ml)があれば脳血流は有意に増加し、倍量投与しても効果は同じであった。研究課題4.慢性、長期投与の効果:HRTを1年以上行った5例についてCEE0.625mg/日を3週間投与して脳血流を測定した。2.の亜急性の効果と同じ程度に脳血流量は増加した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Ohkura,T.,Matsuda,H.,Iwasaki,N.,Yaoi,Y.,et al: "Effect of estrogen on regional cerebral blood flow in postmenopausal women." The Journal of The Japan Menopause Society. 4(2). 254-261 (1996)