1997 Fiscal Year Annual Research Report
閉経とエストロゲン補充療法が女性の脳血流に及ぼす影響について
Project/Area Number |
08671920
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Research Institution | DOKKYO UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE |
Principal Investigator |
大藏 健義 獨協医科大学, 医学部, 教授 (80092394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 尚彌 獨協医科大学, 医学部, 教授 (50176541)
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Keywords | 脳血流 / 小脳血流 / エストロゲン / エストロゲン補充療法 / ホルモン補充療法 / 黄体ホルモン / 閉経 / 閉経後女性 |
Research Abstract |
研究課題1.閉経が脳血流に及ぼす影響:44-50歳の非閉経群11名(平均年齢±SD:46.6±1.9歳)と閉経群19名(47.4±2.2歳)の大脳の平気血流量(CBF)を^<99m>Tc-ECD法で測定して比較した。CBF(ml/100g/min)は、非閉経群47.7±2.1(SD)で、閉経群43.8±4.5より有意に大きかった(p<0.02)。非閉経群の症例数を追加して更に検討する。昨年度報告した研究課題2.(低用量)と研究課題3.(比較的高用量)のエストロゲン補充療法(ERT)が脳血流に及ぼす影響、及びその対照群で、それぞれ症例を追加して計13名、14名、10名とした。大脳血流量(CBF)と小脳血流量(C_<b1>BF)の平均増加率(±SD)は、課題2:CBF 7.1±4.6%、C_bBF6.8±4.9%、課題3:CBF.7.9±5.8%、C_<b1>BF6.3±4.7%、でいずれも昨年と同程度であった。また、対照群では有意な変化は認められなかった。 研究課題4.長期ERT/HRTの効果:1年以上(平均13.7±1.5カ月)ERT/HRTを行った9名(54.2±2.4歳)について、CEE 0.625mg/日を3週間投与して脳血流量を測定した。CBFとC_<b1>BFの増加率は、それぞれ8.0±5.4(SD)%(p<0.001)と7.3±7.0%(p<0.01)で、短期ERTの増加率と同じ程度で、短期効果と長期効果との間に有意差はなかった。15名まで症例数を追加して更に検討する。 研究課題5.黄体ホルモン(P)併用による影響:今まではエストロゲン(E)の効果のみを検討してきたが、実際の臨床ではPを併用してHRTを行うことが多い。CEE 0.625mg/日を3週間投与して、周期の後半酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)5mg/日を7〜10日間併用して脳血流を測定した。平均増加率(±SD)は、CBF 7.3±5.9%とC_<b1>BF 6.5±4.2%(いずれもp<0.01)で、ERT単独の効果と同じであった。今後、症例数を追加するとともに、MPA 10mg/日ではどうか、あるいはE+P併用連続投与の短期及び長期での検討が必要である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 大藏健義、他: "比較的高用量のエストロゲン補充療法が閉経後女性の脳血流に及ぼす影響について" 日本産婦人科学会雑誌. 49巻・増刊. S-253- (1997)
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[Publications] 大藏健義: "記憶と脳血流からみた加齢による脳機能の変化とエストロゲン" 日本更年期医学会雑誌. 5巻・増刊. 41- (1997)
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[Publications] 大藏健義: "エストロゲン補充療法が脳機能に及ぼす影響に関する研究-記憶、脳血流、アルツハイマー病とエストロゲンとの関連について" 日本更年期医学会雑誌. 6巻1号(印刷中). (1998)
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[Publications] 大藏健義、他: "ホルモン補充療法が脳血流に及ぼす効果について-1年以上の長期投与についての検討-" 日本産婦人科学会雑誌. 50巻・増刊(印刷中). (1998)