1996 Fiscal Year Annual Research Report
新しい「癌発生蛋白」:卵巣癌腹水由来蛋白の生化学的特性解析と病態診断上の意義
Project/Area Number |
08671923
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
中居 光生 北里大学, 医学部, 教授 (50050399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
剱持 稔 北里大学, 医学部, 助手 (10205289)
飯野 譲二 北里大学, 医学部, 助手 (30176052)
石川 雅一 北里大学, 医学部, 助手 (40184494)
川内 博人 北里大学, 医学部, 講師 (90152917)
山浦 昇 北里大学, 看護学部, 助教授 (60050621)
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Keywords | 腫瘍関連蛋白 / がん発生蛋白 / 悪性腹水 / カルシウム結合蛋白MRP8 |
Research Abstract |
1)抗体作成 満期胎盤抽出液から分離された妊娠関連蛋白と抗原性を共有する腫瘍関連蛋白を卵巣癌患者腹水中に検出し、これがSDS-ポリアクリルアミド電気泳動上91kDaの分子の大きさをもつ単一の蛋白バンドとして染色された。この91kDa蛋白分子種に対する特異抗体をえた。 2)ヒト胎盤の局在 本抗体の電子顕微鏡による免疫組織検索の結果、本蛋白がホフバウアー細胞およびラングハンス細胞内にその局在が証明された。 3)単離蛋白のアミノ酸配列 本抗体を用いてアフィニティ・クロマトグラフィー、予備的ポリアクリラマイドゲル電気泳動によって、28kDaの蛋白分子種を単離した。この蛋白はN末端の20個のアミノ酸配列が嚢胞性繊維症およびCa結合蛋白と同一であった。この結果から、MRP8/MRP14ヘテロダイマーとの関係を免疫組織学的に調べた。 4)MRP8/MRP14の局在 MRP8/MRP14の免疫顕微鏡的局在検索によって、本蛋白が妊娠前期と中期の胎盤繊毛のホフバウアー細胞およびラングハンス細胞に局在すること、特に、妊娠7週〜8週頃に局在性は最高を示し、その後は中期に次第に減少する。 5)in situ ハイブリダイゼイションと類似蛋白との比較 MRP8関連DNA/mRNA発現の検出目的で4つの合成ヌクレオチド1) ATGTTGACCGAGCTGGAGAA,2) GCTGGAGAAA-GCCTTGAACT,3) GGTAGACGTCGATGATAGAG,4) GAGTAC-TTGTGGTAGACGTCを作製し、in situ PCRを行ったところ、現在迄に、1)を用いてホフバウアー細胞の核に、3)を用いて細胞質にシグナルを検出している。28kDa蛋白とMRP8/MRP14の相違の生物学的意味に更なる検討を加える計画である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Sato N,Morita T,Ishiwata I,Nakai M.Kami K: "HISTOCHEMICAL HOMOLOGY BETWEEN A TUMOR-ASSOCIATED ASCITIC PROTEIN AND MIGRATION INHIBITORY FACTOR-RELATED PROTEINS (MRP8/14) IN HUMAN PLACENTA AS REVEALED BY IMMUNO-MICROSCOPICAL AND in situ HYBRIZATION TECHNIQUES." Acta Histochemica et Cytochemica. 29Suppl.480-482 (1996)