1997 Fiscal Year Annual Research Report
受精に伴うマウス卵活性化における細胞内情報伝達機構の研究
Project/Area Number |
08671931
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
綾部 琢哉 帝京大学, 医学部, 助教授 (00272568)
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Keywords | 細胞内カルシウムプール / リアノジン受容体 / cyclic ADP ribose / IP3受容体 / マウス卵成熟 / マウス卵活性化 |
Research Abstract |
1.マウス卵は受精により細胞内プールからカルシウムを放出し、細胞内カルシウム濃度を上昇させる。このカルシウムが、受精に引き続いて起こる卵の活性化のトリガーとなる。体細胞の細胞内カルシウムプールに存在するカルシウムチャンネルには、IP_3受容体とリアノジン受容体とがあり、細胞ごとにどの構成はさまざまである。 2.本研究では、マウス卵にも (1)RT-PCR法により、リアノジンの2型および3型受容体mRNAが存在すること、 (2)免疫沈降法および免疫組織化学的研究法により、脳に存在するのと同型のリアノジン受容体蛋白が存在すること、 が初めて確認された。マウスのリアノジン受容体mRNAの塩基配列を決め、既に報告されていた家兎のものと比較することができた。 3.リアノジンを卵にmicroinjectionすることにより、マウス卵に存在するリアノジン受容体は他の体細胞と同じ機能を有するものであることが示された。リアノジン受容体の生理的リガンドと考えられるcyclic ADP riboseのmicroinjectionによっても、この受容体は機能した。細胞内カルシウム濃度を直接測定してはいないが、その生物作用としての透明帯蛋白の加水分解を指標として用いた。 4.過剰量のリアノジンをmicroinjectionすることによりリアノジン受容体を抑制した条件下で、マウス体外受精を行ったが、卵活性化は正常に進行した。このことより、マウス卵ではIP_3受容体の方が主に機能していることが推察された。 5.免疫組織化学的研究により、リアノジン受容体の卵における空間的配置が、卵の成熟過程において変化することが示された。未熟卵と成熟卵のおける細胞内カルシウム放出能力の差異は、カルシウムプールの空間的配置の相違によるものであることが推察された。
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[Publications] 綾部琢哉、森 宏之: "マウス卵成熟過程におけるryanodine感受性Caプールの変化" 日本不妊学会雑誌. 41・4. 158-158 (1996)
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[Publications] 綾部琢哉、森 宏之: "Ryanodine受容体のマウス卵受精時細胞内カルシウム(Ca^<2+>)上昇機構における意義" 第14回日本受精着床学会講演抄録集. 93-93 (1996)
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[Publications] Moore,G.D.,Ayabe,T.,Kopf,G.S.and Schultz,R.M.: "Temporal patterns of gene expression of G1-S cyclins and cdks during the first and second mitotic cell cycles in mouse embryos." Mol.Reprod.Dev.45. 264-275 (1996)
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[Publications] Ayabe,T.et al.: "Increased circulating levels of insulin-like growth factor-I and decreased circulating levels of insulin-like growth factor binding protein-1 in postmenopausal women with endometrial cancer." Endocrine Jornal. 44. 419-424 (1997)