Research Abstract |
上記研究課題にもとづき,平成9年度には10症例に対し14回の超大量化学療法を施行した。そのレジメンはカルボプラチン1,500mg/m^2+シクロホスファミド3,000mg/m^2であるが,いずれの症例も移植後の骨髄機能の回復は速やかで,化学療法に起因する死亡例は1例もみられず,全例現在のところ再発徴候もなく生存している。これらの症例では,測定可能病変は全て手術により摘出したあとに超大量化学療法をしこうしていることから,その奏功率をみることは出来なかった。したがって,現在までに施行した105症例での長期予後成績を平成9年度の時点でみると,化学療法に起因する3例(I・II・III期各例)の死亡率を含めての5年・8年生存率(o/c)はI期:92.3,92.3,II期:73.3,73.3,III期:58.1,48.8,IV期:33.7,33.7,再発例:37.5,37.5となった。さらに,これらの無病生存率についても分析してみると,I期:92.3,92.3,II期:73.3,73.3,III期:35.7,31.7,IV期:22.6,22.6,再発例:31.0,31.0となった。これらのうち前治療歴のないIII・IV期の進行癌65例について,超大量化学療法施行前の残存腫瘍径別に5年生存率をみると,残存腫瘍径0-0.5cm(n=35):74.3%,0.6-2cm(n=13):30.8%,<2cm(n=17):22.6%と,0-0.5cmの群において,他の群に対し有意に(P<0.01)良好な5年生存率が得られた。さらに,白金製剤に対する感受性が不良と言われている粘液性腺癌,明細胞腺癌群は他の組織型の群に比し,有意に(P<0.05)その予後は不良であった。
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