1996 Fiscal Year Annual Research Report
抗精子抗体産生に関与する免疫遺伝的背景の解明.特にHLA-II遺伝子との関連の検討
Project/Area Number |
08671940
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
辻 芳之 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (60148658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
満尾 瑞 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (30258157)
柴原 浩章 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (80206143)
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Keywords | HLA / Autoimmune disease / Infertility / Anti Sperm antibody / Sperm |
Research Abstract |
精子不動化抗体が陽性である不妊症婦人29人より同意を得て、末梢血からリンパ球を採取し常法に従いgenomic DNAを抽出した。 このDNAをtemplateとしてHLA-DRIocusのHLA-DRB1遺伝子は、PCR-SSOP法により、またHLA-DQA1遺伝子及びHLA-DQB1遺伝子はPCR-RFLP法によりその各症例の遺伝子型を確定した。統計処理はFisher'sの確率検定により行った。 その結果HLA-DRlocusについてはHLA-DRB1^*0901が58allele中14allelあり、正常日本人対照群に比較して明らかに増加していた(p<0.027)。またこれほど著名ではないがHLA-DRB1^*1501も増加していた(p<0.047)。HLA-DRA1遺伝子はどのphenotypeも一般日本人集団と有意な増減は見られなかった。しかし、HLA-DRB1遺伝子座と連鎖不平衡が存在するHLA-DQB1に付いてはHLA-DRB1^*0901及びHLA-DRB1^*1501と各々強い連鎖不平衡にあるHLA-DQB1^*0303とHLA-DQB1^*0602についてはそれぞれp<0.039,p<0.016と明らかな有意な増加がみられた。 このことからhaplotype HLA-DRB1^*0901-DQB1^*0303とHLA-DRB1^*1501-DQB1^*0602をもつ女性が精子不動化抗体を発現し不妊症となる可能性がそれ以外のHLAを持つものに比べ高いと推定され、また精子不動化抗体は何らかの物質がMHC-ll抗原提示されることにより精子に対する免疫が発現する事を示している。
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