1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08671941
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Teikyo University Junior College |
Principal Investigator |
大川 とみ 帝京女子短期大学, 秘書科, 助教授 (30101695)
|
Keywords | 妊娠 / ストレス / 性スラロイド / 胎仔 / 行動 / オピオイド |
Research Abstract |
1.妊娠母体へのストレス負荷及び同時投与したnaltrexone(NAL)による仔ラットopen field behavior,性行動の変化について 妊娠14日から21日までの連日、光照射・熱・弱拘束によるストレスを45分間、1日3回施行したM(moderate stress)群ならびにNAL_+M群およびNAL単独投与群について、生後60日でのopen field behaviorと成熟後の性行動を検討した。 《open field behavior》M群では雌雄ともに有意にtotal locomotion及びstandingが減少し、出生前ストレスを経験することにより、新規環境適応時の活動性が低下していることが伺えた。一方、defecationは雌雄ともに有意に増加しopen field emotionalityが増大することが明らかになった。NAL_+M群では、雌仔についてはNAL前投与の効果が認められないのに対して、雄仔ではNAL前投与は妊娠母体へのストレス負荷によるopen field behaviorの変化を解除または軽減した。この結果はNAL前投与の効果が性特異的であることを意味し興味深い。なお、NAL単独投与群では、有意なopen field behaviorの変化は見られなかった。 《性行動》雄仔のintact及び去勢後性ステロイドを投与した状態でのmounting行動はM群で有意に低下しNAL_+M群では対照群と同等であった。また、去勢雌仔にTP処理して観察したmounting行動についても、雄仔の場合と等しくM群でmountingは有意に低下しNAL_+M群では回復した。以上の結果は、出生前ストレスによる雄性性行動の脱雄性化過程にbeta-endorphin系が間接あるいは直接的に関与する可能性を示唆している。なお、雌性性行動であるlordosis行動は、従来の報告と同様、本実験においても妊娠母体へのストレス負荷による影響を受けず、NAL投与による変化も見られなかった。
|