1997 Fiscal Year Annual Research Report
木村氏病(軟部好酸球肉芽腫病)における好酸球浸潤機構の解明に関する研究
Project/Area Number |
08671950
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
寺田 修久 千葉大学, 医学部, 講師 (70197797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 真也 千葉大学, 医学部・付属病院, 医員
昼間 清 千葉大学, 医学部・付属病院, 助手
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Keywords | 木村氏病 / 好酸球 / エオタキシン |
Research Abstract |
我々はこれまでの研究で、カンジダ抗原がIL-5の産生を誘導することにより本症における好酸球増多に強く関与していることを報告した。今回、本症の好酸球浸潤におけるeotaxinの役割について明らかにする目的で以下の検討をおこなった。 【対象および方法】(1)木村氏病患者腫瘤組織および所属リンパ節を抗eotaxin抗体を免疫染色し、eotaxin陽性細胞の分布と各種細胞との関係を観察した。 (2)末梢血からCD16negative selection法により好酸球を分離し、各種刺激によるeotaxin mRNAの発現、eotaxin蛋白の遊離について検討した。 (3)eotaxinが微小血管内皮細胞の接着分子に与える影響について検討した。 【成績】腫瘤組織および所属リンパ節ともに、リンパ濾胞間に著明な好酸球浸潤が観察された。eotaxin陽性細胞の多くは好酸球であった。一部の血管内皮細胞にも陽性細胞が観察された。末梢血好酸球の多くはeotaxin陽性であり、mRNAの発現もみられた。 eotaxinは血管内皮細胞におけるICAM-1、VCAM-1の発現を有意に増強させた。また、好酸球に対する接着能を亢進させた。 【結論】木村氏病にみられる好酸球浸潤にはeotaxinが強く関与していることが示唆された。また、浸潤した好酸球が自らeotaxinを産生、遊離することにより、好酸球浸潤をさらに促進している可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)