1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08671969
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
森 望 香川医科大学, 医学部, 教授 (90124883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽根 美恵子 香川医科大学, 医学部, 助手 (30253280)
古田 浩 香川医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (90209180)
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Keywords | 内リンパ嚢 / ホルモンレセプター / イオンチャンネル / PCR |
Research Abstract |
内リンパ嚢は微細な器官であり、実験遂行上、必要量の試料を採取するのが困難であるため、幾つかの簡便法によるRNA精製では内リンパ嚢からは変性したRNAしか得ることが出来なかった。今回、超遠心法を用いて、ラット内リンパ嚢より分子生物学的分析に耐える高い純度のRNAを得ることに成功した。次にこのRNAを用いて逆転写にてcDNAを合成し、内リンパ嚢機能において役割を果たしている可能性のある遺伝子(各種ホルモンレセプター、イオンチャンネル等)の発現をPCR法にて検討した。 現在までにPCRにて内リンパ嚢に発現が確認された遺伝子は、アドレナリンβ2レセプター、電解質コルチコイドレセプター、ナトリウムチャンネル、ATPレセプター等である。引き続き現在、PCR産物の塩基配列を進めているところである。これら遺伝子はいずれも水分、電解質のバランスや微小血流に関与している点から、内リンパ嚢機能(内リンパ液の吸収等)において何らかの機能を果たしていることが示唆するものと考えている。次にこれらの遺伝子の実際の内リンパ嚢における発現部位を同定する事が必要である。現在、内リンパ嚢における遺伝子発現の局在を検討するためin situ ハイブリダイゼーションの準備を行っている。現在までに必要な試薬や、ラット内リンパ嚢の凍結切片の準備がほぼ整っており、来年度に掛けて施行予定である。
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[Publications] Dazheng Wu: "Outward K^+ current in epithelial cells isolated from intermediate portion of endolymphatic sac of guinea pigs" Am Physiol Society. 271. 1765-1773 (1996)
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[Publications] Nozomu Mori: "Low-amiloride-affinity Na^+ channel in the epithelial cells isolated from the endolymphatic sac of guinea-pigs" Eur J Physiol. 433. 58-64 (1996)
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[Publications] 森 望: "内リンパ嚢に関する電気生理学的・形態学的研究-最近の知見から-" 耳鼻咽喉科・頭頸部外科. 68・13. 1027-1034 (1996)