1997 Fiscal Year Annual Research Report
頭頚部悪性腫瘍における免疫学的・遺伝子学的・EBウイルス学的研究
Project/Area Number |
08671976
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
原渕 保明 札幌医科大学, 医学部, 講師 (80208686)
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Keywords | 頭頚部 / 悪性腫瘍 / EBウイルス |
Research Abstract |
本年度は鼻副鼻腔原発の悪性リンパ腫39例におけるEBウイルスの検出と細胞型,病理組織型および臨床像との関連性について検討した.EBVの関連性についてはEBER1の発現を指標にin situ hybridization法にて検討した.細胞型はMT1,CD45RO,L26,CD56の発現を免疫組織学的に同定した.組織学的には多形性浸潤を示す型(polymorphic reticulosis:PR)と多形性を示さない型(ordinary non-Hodgkin's lymphoma:NHL)に分類した.臨床的には局所所見上,浸潤破壊性病変の程度を-,1+,2+の3段階に分けて検討した.その結果,表面形質的にはB細胞型(L26+)9例、T細胞型(MT1+CD56-)が6例,T/NK細胞型(MT1+CD56+)20例,NK細胞型(MT1-CD56+)2例であった.組織学的には22例がNHL,17例がPRに分類された.浸潤破壊性病変は2+が15例,1+が6例で,-が18例であった.EBER1はCD56+の全例(うち14例はPR,8例はNHL)と2例のCD56-PR,計24例に検出された.EBER+24例中,鼻腔原発が23例,B症状+が15例,浸潤破壊性病変を有する例が18例あった.細胞型または組織型およびEBVの有無による完全緩解率や生存率の有意な変化は認めなかったが,著明な浸潤破壊性病変を有した例では予後が極めて不良であった
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 原渕保明,他: "リンパ腫とEBウイルス・鼻性T細胞リンパ腫" 日本臨床. 55. 394-399 (1997)
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[Publications] Harabuchi.Y,et al.: "Nasal T-cell lymphoma causall'y associated with Epstein-Barrviru" Gann Monograph on Cancer Research. 45. 129-137 (1998)