1998 Fiscal Year Annual Research Report
頭頚部悪性腫瘍における免疫学的,遺伝子学的,EBウィルス学的研究
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08671976
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Research Institution | ASAHIKAWA MEDICAL COLLEDE |
Principal Investigator |
原渕 保明 旭川医科大学, 医学部, 教授 (80208686)
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Keywords | 頭頚部悪性腫瘍 / EBウィルス / 鼻性T / NK細胞リンパ種 / ワルダイエル扁桃輪 / 悪性リンパ腫 / 上咽頭癌 |
Research Abstract |
初めに,鼻性T細胞リンパ腫の細胞の起源を免疫遺伝子学的に解析した結果,本腫瘍の細胞起源としてはNK細胞またはNK様T細胞である可能性が示唆された.また,検索した全症例にクローナルなEBウイルス遺伝子が認めたことから,EBウイルスは本疾患の発症に深く関与していることが示唆された(Cancer 77:2137-2149,1996). 次に鼻性T細胞リンパ腫含む頭頚部悪性リンパ腫について腫瘍組織における細胞接着分子の発現と患者血清中の可溶性細胞接着分子の測定した.その結果,鼻性T細胞リンパ腫の血管内浸潤部位(angiocentric region)ではICAM-1の極めて強い発現が認められた.鼻性T細胞リンパ腫では他の頭頚部悪性リンパ腫に比較して血清中の可溶性ICAM-1が有意に高値を示していた(Ann Otol Rhinol Laryngol 105:634一642,1996). また,ワルダイエル扁桃輪原発悪性リンパ腫について臨床的解析を行った結果,T細胞リンパ腫はB細胞リンパ腫に比較して予後が非常に不良であることが統計学的に証明された(Acta Oncologica 36:413-420,1997). 頭頚部原発の上皮系悪性腫瘍については中国医科大学と共同研究を行ったところ,頭頚部悪性腫瘍におけるEBウイルスの関連性には組織型や原発部位だけでなく,人種や地域性によって異なる可能性が示唆された.また,上咽頭癌ではEBウイルス遺伝子・発癌抗原の発現形態,癌遺伝子,癌抑制遺伝子の発現形態,および臨床像との関連性が認められた(第10回日本口腔・咽頭科学会,1997;第15回日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会,1997;第22回日本頭頚部腫瘍学会,1998). 最後に,鼻副鼻腔原発の悪性リンパ腫におけるEBウイルスの検出と細胞型,病理組織型および臨床像との関連性について検討した結果,細胞型または組織型およびEBVの有無による完全緩解率や生存率の有意な変化は認めないが,著明な浸潤破壊性病変を有した例では予後が極めて不良であることが証明された(2nd Asian Research Symposium in Rhinology.Seoul,Korea,November 1,1997).
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Harabuchi Y,Imai S,Wakashima J,et al.: "Nasal T-cell lymphoma causally associated with Epstein-Barr virus : Clinicopathologic,phenotypic,and genotypic studies." Cancer. 77. 2137-2149 (1996)
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[Publications] Harabuchi Y,Kataura A,Imai K.: "Circulating intercellular adhesion molecule-1 and its cellular expression in head and neck non-Hodgkin's lymphomas,including lethal midline granuloma." Ann Otol Rhinol Laryngol. 105. 634-642 (1996)
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[Publications] Harabuchi Y,Tsubota H,Ohguro S,Himi T,et al.: "Prognostic factors and treatment outcome in non-Hodgkin's lymphoma of Waldeyer's ring." Acta Oncologica. 36. 413-420 (1997)
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[Publications] 原渕保明,今井章介,形浦昭克,大里外誉郎.: "特集 EBウィルスとヒトがん -最近の展望- リンパ腫とEBウィルス 鼻性T細胞リンパ腫." 日本臨床. 55. 394-399 (1997)
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[Publications] 原渕保明,形浦昭克: "進行性鼻壊疽(鼻性T細胞リンパ腫)" 耳鼻咽喉科診療Q&A.25. 448-1449ノ3 (1997)
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[Publications] 原渕保明.: "進行性鼻壊疽(鼻性T細胞リンパ腫)" 研修医のための耳鼻咽喉科・頭頚部外科.178-181 (1998)
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[Publications] Harabuchi Y,Imai S,Kataura A,Osato T,Kon S.: "Nasal T-cell lymphoma causally associated with Epstein-Barr virus. In.Epstein-Barr virus and human cancer" Gann Monograph on Cancer Research ;. 45. 129-137 (1998)