1996 Fiscal Year Annual Research Report
頭頚部扁平上皮癌培養細胞株より分泌されるサイトカインの自己および免疫細胞への影響
Project/Area Number |
08671982
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
平林 秀樹 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (00146185)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇野 浩平 獨協医科大学, 医学部, 講師 (50185055)
日野原 正 獨協医科大学, 医学部, 教授 (70049146)
|
Keywords | 頭頚部扁平上皮癌 / アポトーシス / 抗腫瘍性 / IFN-γ / TNF-α / Fas抗原 / TNF-α recepter / サイトカイン |
Research Abstract |
はじめに:本年度はヒト頭頚部扁平上皮癌培養細胞株に対する、サイトカインであるTumor Necrosis Factor(TNF-α)およびInterferonγ(IFN-γ)の細胞増殖抑制効果のin vitoroでの観察と、その抑制効果の作用機序の解明を主眼に実験を行った。 材料および方法:ヒト頭頚部扁平上皮癌培養細胞株のPCI51およびPCI52を用い、TNF-αおよびIFN-γの細胞増殖抑制効果をMTT assay法にて検索した。さらにヒト頭頚部扁平上皮癌培養細胞表面のTNF-αレセプターおよびFas抗原の発現、そしてTUNEL法によるDNAの断片化の観察によるアポトーシス細胞の証明をflow cytometryにて観察することにより、細胞増殖抑制効果の作用機序の解明を行った。 結果:TNF-αおよびIFN-γは単独投与でPCI51およびPCI52に抗増殖効果を持ち、さらに併用で相乗的な結果を示した。PCI51において、細胞表面のTNF-αレセプターの発現がTNF-αおよびIFN-γは単独投与2時間後に検出され、さらにFas抗原の発現が4、7、14時間後に観察された。また、TUNEL法によるDNAの断片化の証明が、TNF-αおよびIFN-γは投与24時間後に観察され、アポトーシス細胞の存在が証明された。 結論:TNF-αおよびIFN-γはヒト頭頚部扁平上皮癌培養細胞株に対して細胞増殖抑制効果を示し、細胞によりその感受性の違いが観察された。細胞増殖抑制効果の作用機序としてTNF-αレセプターを介するシグナル伝達機構の存在が示唆された。Fas抗原を介するアポトーシス的細胞死に対するシグナル伝達機構の存在とアポトーシス細胞の証明により、TNF-αおよびIFN-γがヒト頭頚部扁平上皮癌培養細胞をアポトーシスへ誘導することが示唆された。 以上の研究成果を第97回日本耳鼻咽喉科学会総会および第20回日本頭頚部腫瘍学会総会にて講演し、DOKKYO JORNAL OF MEDICAL SCIENCESに掲載予定である。
|
Research Products
(1 results)