1997 Fiscal Year Annual Research Report
各種サイトカインの頭頸部扁平上皮癌培養細胞株に対する増殖および表面分子の検索
Project/Area Number |
08671982
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
平林 秀樹 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (00146185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇野 浩平 獨協医科大学, 医学部, 講師 (50185055)
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Keywords | 頭頸部扁平上皮癌 / IL-2遺伝子 / サイトカイン産生能 / 表面マーカー / 免疫エフェクター |
Research Abstract |
はじめに:本年度は頭頸部扁平上皮癌培養細胞(SCCHN)にIL-2遺伝子をretroviral vectorを用いて導入し、そのIL-2遺伝子導入SCCHNの免疫特性とnude mouse内での腫瘍増殖を検討した。 方法:SCCHNにretroviral DFG-hlL-2-NeoR vector(9.95kb)を用いて、IL-2遺伝子導入を試み、細胞上清中のサイトカイン産生能(IL-1β,IL-2,IL-4,IL-6,IL-12,TNF-α,GM-CSF)また、IL-2の産生をELISAにて1年間に渡って測定した。また上清と培養疫を1:1にて末梢単核球と3日間培養し、その表面マーカーの変化をFACScanにて検索した。また、IL-2遺伝子導入SCCHNの増殖変化を知るために、VTR連続記録を行い、細胞分裂の様子を観察した。 さらにIL-2遺伝子導入したSCCHNと親株細胞をnude mouseの皮下に注入し増殖を観察した。 結果:IL-2産生遺伝子を導入されたSCCHNは1年間に渡ってその上清中にIL-2が測定された。一方、通常認められるIL-6の産生がpalental cellより低下していた。その他のサイトカイン産生は認められなかった。単核球の表面マーカーの変化では、HLA classII,IL-2 recepterのα,β,γのすべてが新鮮細胞に比べその表質の上昇を認めた。nude mouseモデルでは、親株は時間依存性に皮下腫瘍を形成したが、IL-2遺伝子導入細胞では短期間に腫瘍は完全消失した。以上の結果より、IL-2産生遺伝子を導入されたSCCHNより産生される物質は、免疫エフェクター細胞の活性化を促することがin vitroおよびin vivoにおいて証明された。以上の結果は第16回耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会にて報告し、現在投稿準備中である。
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