1998 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部扁平上皮癌培養細胞株により分泌されるサイトカインの自己及び免疫細胞への影響
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08671982
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Research Institution | DOKKYO UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE |
Principal Investigator |
平林 秀樹 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (00146185)
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Keywords | 頭頸部扁平上皮癌 / IL-2遺伝子 / NK細胞 / 表面抗原 / IL-2産生 / nudo mouseモデル / IL-2遺伝子導入 / マクロファージ |
Research Abstract |
昨年我々は頭頸部扁平上皮癌培養細胞(SCCHN)に対するNKおよびIL-2活性化NK細胞の効果とIL-2遺伝子をSCCHNに導入しin vivoおよび石in vitroでの変化を観察報告した。(方法) 末梢血より分離された単核球より抗体法にて得られたNK細胞と、これにIL-2(6,000IU/ml)を加え2週間培養し活性化したIL-2 activated NK(A-NK)のSCCHNに対する抗腫瘍性を、4時間クロム遊離試験にて測定した。SCCHNにretroviral DFG-hIL-2-NeoR vector(9.95kb)を用いてIL-2遺伝子導入を試み、IL-2の産生をELISAにて1年間に亘って測定した。非遺伝子導入細胞とIL-2遺伝子導入細胞の培養上清と末梢血単核球を培養し、その表面抗原の変化を検索した。また、このIL-2遺伝子導入したSCCHNと親株細胞をnude mouseの皮下に注入し増殖を観察した。 (結果) SCCHNに対しNK細胞は細胞障害性を示さなかったが、A-NKは強い細胞障害性を示した。SCCHNは同じ扁平上皮癌から樹立したが、その感受性は個々に異なっていた。IL-2遺伝子を導入されたSCCHNは1年間に亘ってIL-2の分泌が測定された。IL-2遺伝子を導入したSCCHNは非遺伝子導入細胞に比べ、その培養上清がNK細胞とマクロファージを活性化することを観察した。nude mouseモデルでは、親株は時間依存性に28日まで皮下腫瘍を形成したが、IL-2遺伝子導入細胞では8-14日で腫瘍は消失した。 以上より、免疫細胞および活性化された免疫細胞はSCCHNに対してin vivoおよびin vitroでの治療効果が期待できる。SCCHNの免疫学的研究は癌の制御や破壊の解明に重要である。
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Research Products
(1 results)