1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08671990
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
大橋 徹 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (80111376)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 裕継 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (00271370)
釼持 睦 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (10257397)
越智 健太郎 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (20214158)
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Keywords | 5 / 6腎切除 / 蝸電図 / 慢性腎不全 / 蝸牛機能障害 / 雑音負荷 / CAP,CM閾値変動 |
Research Abstract |
平成8年度の実験成績要約:本年度は動物にモルモット、ラットを使用し、5/6腎切除腎不全動物を作製し実験対象とし、以下の結果を得た。 1)術後1ヶ月で血清Cr、BUNは異常上昇したが、蝸電図の異常変化は更に1ヶ月の遅れを経て発現した。 2)CMの閾値上昇と刺激周波数との間には一定の関係は見いだせなかった。 3)EPについては少数例での確認だったがEP低下を来すものは無く、正常範囲値を維持した。 以上の結果から少なくともモルモット、ラットでの慢性腎不全状態の蝸牛には確実に機能障害が発生する事が判明した。障害部位としては、CM減少、EP出力不変の知見から有毛細胞が推測される。 つぎに術後1ヶ月の蝸電図変化が極く軽微の動物に広帯域雑音を負荷しその影響を検討し、つぎの結果を得た。 1)負荷直後からCAP,CMの閾値上昇、振幅減少等の異常変化が発現し、コントロール動物と異なり時間経過によっても回復する事は無かった。 2)雑音負荷後、SPの極性逆転を示す動物が見られた。 以上の結果からは人間でも慢性腎不全患者は強大音暴露により難聴を来す危険性をはらんでいる事が示唆された。これらの成績のまとめたものは現在日本耳鼻咽喉科学会会報誌に投稿中である。
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