1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08672013
|
Research Institution | Fukui Medical University |
Principal Investigator |
赤木 好男 福井医科大学, 医学部, 教授 (70133189)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 幸男 福井医科大学, 医学部, 助教授 (80163294)
|
Keywords | ラットガラクトース白内障 / 抗PCNA抗体酵素抗体法 / DNA染色螢光顕微測光法 / 水晶体線維膨化 / 2倍体細胞 / 水晶体上皮細胞 |
Research Abstract |
生後6週齢ラットに対しガラクトースをそれぞれ5%、10%、15%、25%の濃度で含有する食餌をそれぞれ与え飼育した。そして、発症する白内障に対し組織学的観察を行うと同時に増殖細胞の標識を行い観察した。その結果、ガラクトース含有濃度の高いほど、発症までの時期が早くそして進行程度は強いと言うことが分かった。つまり、発症は高濃度群が最も強く、低濃度群が最も弱かった。それぞれの群におけるラットの水晶体嚢のついた上皮細胞層を経時的に採取した。固定はメタノールにて行い、DAPI染色にて上皮細胞のDNAを螢光染色し螢光顕微測光法により定量した。また、半数の上皮細胞は抗PCNA(Proliferative Cell Nuclear Antigen)抗体を用いた酵素抗体法により水晶体上皮細胞を染色した。その結果次のような事実が分かった。白内障つまり繊維膨化が開始する少し前の時期から抗PCNA陽性細胞が主として前嚢中央部に出現する。また、螢光測光法による2倍体細胞数も陽性細胞の出現と同時期であり、出現数も比例し、ピークも線維膨化の出現とほぼ同じ時期であり、その後白内障進展にもかかわらず細胞数は漸減した。。線維膨化は前述の様に投与ガラクトース濃度に関連するので、陽性細胞出現は線維膨化と直接関連していることが判明した。従って、上皮細胞増殖の引き金となる刺激は細胞間の物理的圧迫の低下ではないかと推測した。しかし、いずれの場合でもその後の水晶体線維膨化の増加があるにもかかわらずむしろ減少し、陽性細胞出現は一過性であったことから、この刺激はその初期に最も強いことが示唆された。さらに、上皮細胞のDNA量2倍体細胞は抗PCNA陽性細胞の出現と同部位に認められたことから、上皮細胞が確かに増殖していることが確認できた。飼育するガラクトース食餌濃度で比較すると、低いものほどPCNA陽性細胞出現は遅くなった。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Eri Kubo: "Cell Growth of Rat Lens Epithelium in Galactose-induced Cataracts" Acta Histochem.Cytochem.30・3. 243-249 (1997)
-
[Publications] Yoshihiko Sugimoto: "Histology of Anterior Capsule Edges Produced by CCC and DC" Jpn J Ophthalmol. 41・1. 77-80 (1997)