1997 Fiscal Year Annual Research Report
イモリ網膜色素上皮細胞の網膜分化再生過程における神経細胞接着因子の役割
Project/Area Number |
08672033
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
平形 明人 杏林大学, 医学部, 助教授 (80173219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐和 弘基 杏林大学, 医学部, 講師 (80135912)
樋田 哲夫 杏林大学, 医学部, 教授 (40129622)
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Keywords | 網膜色素上皮 / 網膜再生 / 神経細胞接着因子 / イモリ |
Research Abstract |
日本産両生網有尾目のアカハライモリを麻酔後、角膜輪部付近にて強膜を穿孔し、生理食塩水を灌流しつつ硝子体および水晶体を除去した。同時に神経網膜と色素上皮細胞層との間に生理食塩水を注入し、人工的に網膜剥離を作成し神経網膜を除去した。昨年は、外眼筋・視神経・動静脈を切断し、一旦摘出した眼球を再度眼窩内へ戻しその後の神経網膜の変性消失と再生を検討した。この全眼球摘出術では、網膜色素上皮への侵襲も少なく、個体差の少ない網膜再生過程を捉えることができるが、本年は水晶体の再生についての検討もすべく上記の手術方法を選択した。 術後経時的に眼球を摘出し、光学・電子顕微鏡にて再生網膜の構築について検討した。手術後約15日で網膜は4〜6層に再生が確認され、また虹彩色素上皮からの水晶体の再生が同時期に確認された。神経細胞接着分子(Neural cell adhesion molecule;N-CAM)を用いた免疫組織染色では、外網状層および内網状層に陽性所見が得られたが、再生した神経突起の視神経への走行性の制御については明確な所見を得られれなかった。本術式では再生過程の個体差が大きいため、より多数例での検討が必要と思われた。 平成10年度は、再生神経突起の視神経への走行性制御を確認すべく、蛍光抗体法を含めてN-CAMを用いた免疫組織学的検討を再施行する。また水晶体の再生過程におけるTGF-β(Transforming growth factor β)などの細胞増殖因子の発現を検討する予定である。
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