1998 Fiscal Year Annual Research Report
イモリ網膜色素上皮細胞の網膜分化再生過程における神経細胞接着因子の役割
Project/Area Number |
08672033
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Research Institution | Kyorin university |
Principal Investigator |
平形 明人 杏林大学, 医学部, 助教授 (80173219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐和 弘基 杏林大学, 医学部, 講師 (80135912)
樋田 哲夫 杏林大学, 医学部, 教授 (40129622)
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Keywords | 網膜色素上皮細胞 / 網膜再生 / 神経細胞接着因子 / イモリ |
Research Abstract |
アカハライモリを経皮的に麻酔後、角膜輪部付近で強膜を穿孔し経強膜的に水晶体、硝子体、網膜を摘出する網膜再生モデルを採用し、網膜の再生過程を光学顕微鏡および電子顕微鏡的に形態観察した。手術後10日頃では色素顆粒を含む細胞と貧食能を有する大小不揃いの細胞が、層構造を形成せずに存在した。手術後約15日で網膜は5から6層の層構造を構築した。約25日にはほぼ再生が完成した網膜が電子顕微鏡的にも観察された。視神経乳頭にも正常網膜と同様な形態で連続していた。 網膜再生過程における神経細胞接着因子(Neural cell adhesion molecule;N-CAM)の免疫染色性は手術後約15日ごろに外網状層および内網状層と考えられる部位で発現が観察され、その染色性は再生過程が終了するまで維持された。しかし、視神経乳頭へつながる標本を経時的に作成することができず、N-CAM陽性と思われる神経線維の視神経への連続部位におけるN-CAMの発現および局在について観察することが困難で、N-CAMの視神経線維の走行性制御について明確な所見が得られなかった。また、N-CAMの免疫染色性が特に再生網膜の初期過程で不安定であり、個体によってはさらに初期から網膜全層にわたって陽性とも判定され、この再現性の判定が現状では困難であり、数種類の抗体を試用して検討している段階である。
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