1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08672035
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
小野 眞史 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (80204254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪田 一男 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (40163878)
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Keywords | シェ-グレン症候群 / ドライアイ / 涙腺 / 移植 / 涙液 |
Research Abstract |
本研究は涙腺移植の第一段階として、移植片の自己組織内での生着、機能の観察および手術手技の確立を目標とした基礎実験である。初年度は、実験系の確立と評価法の検討を重視し、予備的実験を施行した。 1、全涙腺の分離自己移植の予備実験では、10-16週齢の雌雄B6マウスを用い、塩酸ベントバルビタール腹腔麻酔下(50mg/kg)で涙腺を全切除し、同切除部位に再移植した。今回の実験ではマウスの致死率が90%以上であり、麻酔および手術手技の改善の必要があるものと思われた。 2、涙液、角結膜評価の予備試験として10-16週齢の雌雄B6マウスに塩酸ペントバルビタール腹腔麻酔(50mg/kg)を施行し、1mm幅シルマ-試験紙、綿糸法による涙液分泌量の測定、および1%ローズベンガル、1%フルオレセイン1マイクロリットル混合液による角結膜染色を行った。涙液分泌の測定はシルマ-試験紙、綿糸法ともに十分に評価可能な分泌量を示し、角結膜染色は観察されなかった。これらは他のドライアイモデルマウス、ヒトドライアイ患者でも評価可能であり、ラットモデルでも同様に評価可能であると考えられた。 3、涙腺機能評価のための涙液、涙腺内蛋白の存在の確認では抗ヒトlactoferrin抗体による評価法の確立を予定し、同抗体によるヒト涙腺材料における反応性を評価した。ヒト正常涙腺での同抗体の反応性は良好であった。今後はマウス、ラットにおける抗ヒトlactoferrin抗体交差反応性の検討を行う予定であるが、マウス、ラットではtransferrinとの反応性の評価を涙腺機能の評価として用いる必要がある可能性もあり、他の涙液蛋白の検討も必要となる可能性が考えられる。
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