1997 Fiscal Year Annual Research Report
網膜・脈絡膜循環動態のシミュレーション・モデルの構築
Project/Area Number |
08672038
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
乾 成里 日本大学, 工学部, 講師 (40176409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 久雄 日本大学, 医学部, 助手 (00267072)
山崎 芳夫 日本大学, 医学部, 講師 (30175658)
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Keywords | シミュレーション / 網膜・脈絡膜循環 / ドップラー / 画像処理 |
Research Abstract |
眼循環系においては,眼内血流量∝(眼灌流圧/血管抵抗),血流量∝(1/血液動粘度),血管抵抗∝(1/血管内径),眼灌流圧∝(血圧-眼圧),の関係がある。また,血流量には多くのパラメータが関与している。生体眼では,これらのパラメータの変動に対し,眼内血流量を一定に維持するための自動調節機構が存在する。虚血性の視神経疾患や自律神経系作働薬投与下では,この自動調節機構の破綻が生ずる。 本研究では,虚血性の視神経疾患として,正常眼圧緑内障を対象として超音波カラードップラー法,走査型スキャニングフローメータを用いて眼窩内微小血管流速度を網膜組織血流量の測定を行い,両者はともに健常者と比較して有意に減少していることを明らかにした。 次に,自律神経作働薬として,β遮断作用を有する塩酸カルテオロールを正常人眼に継続して点眼した。眼灌流圧が低下するにも関わらず,血流量が増加することを明らかにした。塩酸カルテオロールの局所作用と全身作用が,自動調節機構に相反する影響を与えており,自動調節機構の複雑さを示唆している。 一方,多分岐血管を電気的分布定数線路でモデル化するためには,自動調節機構に関与する多種のパラメータを線路のパラメータに対応させる必要がある。本研究では,パラメータの一部である,血管抵抗を決定する要因である,血管の湾曲や血管径を明らかにするため,眼内血管の立体的形状の再構成を行った。 研究期間内では,眼循環動態の各種パラメータについての検討を行った。今後,これらのパラメータをシミュレーション・モデルのパラメータに対応させ,モデルを完成させる予定である。
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[Publications] Yoshio Yamazaki: "Optic Disc Findings in Normal Tension Glaucoma" Japanese Journal of Ophthalmology. 41. 260-267 (1997)
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[Publications] Yoshio Yamazaki: "The Relationship Between Progression of Visual Field Defects and Retrobulbar Circulation in Patients With Glaucoma" American Journal of Ophthalmology. 124. 287-295 (1997)
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[Publications] 山崎芳夫: "超音波Color Doppler法を用いた眼循環の評価" あたらしい眼科. 14・6. 849-854 (1997)
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[Publications] 早水扶公子: "正常眼圧緑内障における視野障害と視神経乳頭周囲網膜血流との関係" 臨床眼科. (in printing).
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[Publications] 水木健二: "塩酸カルテオロール点眼の人眼の眼循環動態に及ぼす影響" 日本眼科学会雑誌. (in printing).
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[Publications] Yoshio Yamazaki: "Correlation Between Optic Nerve Blood Flow and Disc Appearances in Normal Tension Glaucoma" Ophthalmologica. (in printing).
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[Publications] 山崎芳夫: "開放隅角緑内障における視神経乳頭変化と眼循環動態との関係について" あたらしい眼科. (in printing).