1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08672045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
深井 小久子 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (50238432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 友恵 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 助教授 (60238087)
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Keywords | 後天性外眼筋麻痺 / 相互神経支配 / 融像の異常 / 視能矯正プログラム / シュミレーション / Fusion Lock Training / 眼球運動訓練 |
Research Abstract |
本年度は以下の二点について研究を行った。 1.発生機転の異なる後天性外眼筋麻痺を相反神経支配の有無と融像の異常から3つのタイプに分類し、視能矯正プログラムを作成した。後天性に外眼筋麻痺が発生すると原因筋である麻痺筋は筋力の低下と弛緩が起こり、二次的に同側眼の拮抗筋の痙縮が発生し相反神経支配の異常が起こる。融像の異常の判定は、著者考案による融像視野訓練プログラム(NECメディカルソフト)を使用した。方法は、CRT画面上に2mmの光点を15〜30°間隔にアットランダムに移動させBagolini S.G.で融像を確認した。第一のタイプは、相反神経支配が保たれている外眼筋麻痺である。この場合は衝動性眼球運動訓練(水平、垂直)と輻湊訓練を行い、まず外眼筋筋力の回復を計った。第二のタイプは、相反神経支配は正常であるが、麻痺筋の抑制が不十分な場合である。第三は麻痺筋と拮抗筋が共に抑制が不十分な場合であり、両者はいずれもFusion lock trainingを基本とした。新しい3通りの視能矯正プログラムによる治癒過程のデーターをもとに中高年齢者の各種の眼球運動障害のシュミレーションを行った。 2.5年以上の長期視能矯正管理を行った小児の乳児内斜視の有効な視能訓練法を検討した。斜視角の安定と両眼視機能の回復が60sec.以上獲得できた症例の特性は、交代遮閉訓練を斜視手術前に施行したものであった。斜視手術前の交代遮閉訓練は、感覚異常の進行をさしとめ正常両眼視機能の始動を促す訓練法であることが判明した。(第101回日本眼科学会に演題が採用となった。)
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