1996 Fiscal Year Annual Research Report
実験的自己免疫性及メラニン蛋白起因性ぶどう膜炎に対するFTY-720の治療効果
Project/Area Number |
08672046
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
疋田 直文 久留米大学, 医学部, 助教授 (80173152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒瀬 眞一 久留米大学, 医学部, 助手 (40225298)
池田 英子 久留米大学, 医学部, 助手 (70222875)
渡邉 志穂 久留米大学, 医学部, 助手
吉村 浩一 久留米大学, 医学部, 講師 (30240352)
望月 學 久留米大学, 医学部, 教授 (10010464)
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Keywords | EMIU / Uveitis / FTY720 / rat |
Research Abstract |
目的:前部ぶどう膜炎の動物モデルである実験的メラニン起因性ぶどう膜炎(Experimental Melanin-Induced Uveitis, EMIU)に対する全身投与によるFTY・720の効果を検討した。 方法:近交系ルイスラットを牛メラニン抗原(50μg/ラット)で免疫し、抑制実験ならびに治療実験を行った。抑制実験では、FTY720(0.03mg,0.06mg,0.1mg,0.3mg,0.6mg/kg/日)、FK506(3.2mg/kg/日)あるいは蒸留水を免疫当日より15日間経口投与した(各群n=8)。治療実験では、FTY720(0.1mg,0.3mg/kg/日、n=6)あるいは蒸留水(n=7)をEMIUが1眼に発症した日より7日間経口投与した。効果の判定は、臨床所見、発症率、病理組織学的所見にもとづいて評価を行った。 結果: 1.抑制実験 対照群(蒸留水)のラットのEMIUの発症率は85.7%であった。一方、FTY720治療群のうち薬剤用量が0.03mg/kgのラットの発症率は100%,0.06mg/kgでは68.8%,0.1mg/kg以上のラットでは0%で、FTY720の用量が0.03〜0.1mg/kgでは用量依存的に抑制効果が認められた。なおFK506(3.2mg/kg)治療群の発症率は31.2%であった。病理組織学的所見も臨床所見に一致し、対照群の前房隅角の炎症細胞数は320個であったが、FTY720の用量0.06mg/kg以上では0〜0.4個でEMIUはほぼ完全に抑制されていた。 2.抑制実験 対照群(蒸留水)はEMIU発症後3日目より炎症は徐々に消退し、7日目では炎症の程度は軽度であった。一方、0.1および0.3mg投与群では、対照群と比較し発症後3日目より炎症の消退化が強く、発症後4日より有意(p<0.05)に炎症が軽減していた。病理組織所見でも同様の結果が認められた。
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