1996 Fiscal Year Annual Research Report
三次元アニメーション像による直腸肛門奇形患児の術前術後評価
Project/Area Number |
08672060
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
上野 滋 東海大学, 医学部, 講師 (30138028)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平川 均 東海大学, 医学部, 助手 (90228776)
周藤 安造 東海大学, 開発工学部, 教授 (20236037)
|
Keywords | 直腸 / 肛門 / 鎖肛 / 3D / コンピュータ・グラフィックス / MRI / CT |
Research Abstract |
本研究では、直腸肛門奇形(以下鎖肛)患児の術前術後にコンピュータ上で骨盤部臓器の三次元アニメーション像を作成して、筋群と腸管の解剖学的位置関係を把握し、病型による差異、各術式による差異を明かとし、各術式における問題点を明らかにしようとした。 研究計画に従い、術前術後鎖肛患児について骨盤底のMRI像を撮影する一方、パーソナル・コンピューター式を購入し、MRI付属のソフトウェア、およびパーソナルコンピュータによる画像処理により、各症例の骨盤部三次元表示像(静止画像、アニメーション像、バーチャルリアリティ画像)を作成した。 その結果、術前症例では、対照例と鎖肛症例との三次元表示像の比較により、低位症例では、瘻孔が括約筋筋塊の前方を貫くのが観察され、肛門形成術の目的は本来の直腸肛門の描く曲線を作成することととらえられた。高位鎖肛症例では、直腸盲端の位置が立体的にとらえられるとともに、理想的な腸管貫通経路は、肛門挙筋の前方で会陰横筋が中央で合する点を同定して直腸を導き、この点と肛門窩の中心とを結ぶ経路を正確に作成して直腸肛門角を形成することであると考えられた。この成果は、日本小児外科学会雑誌(第32巻7号)に論文発表し、第5回コンピュータ外科学会(平成8年10月)において口演発表した。 また、術後症例に対しても術式別に検討を加え、筋群と直腸肛門の位置関係は、(1)直腸肛門が前方に凸の曲線を描き、対照と同様に筋群を貫くもの、(2)直腸肛門が前方に凸の曲線を描かず、筋群の前方を貫くもの、(3)直腸肛門が正中より側方に偏位して筋群を貫くもの、(4)筋群の断裂などその他の所見を呈するものに分類した。さらに、術式別に臨床的状態との対比を試み、第34回日本小児外科学会総会(平成9年6月)で口演発表予定である。
|
Research Products
(2 results)