1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08672095
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Research Institution | TOKYO DENTAL COLLEGE |
Principal Investigator |
加藤 哲男 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (00159253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 あゆみ 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (40231667)
三浦 直 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (10266570)
石原 和幸 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (00212910)
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Keywords | 歯周病 / サイトカイン / Porphyromonas gingivalis / Actinobacillus actinomycelemcomitans / 内毒素 / 菌体表層多糖 / 外膜タンパク |
Research Abstract |
Porphyromonas gingivalisは、歯周病局所から高頻度に分離されるグラム陰性偏性嫌気性菌である。P.gingivalisが有する歯周病原性にはLPSや線毛などの菌体表層構造物が深く関与している。我々は、本菌から57kDaの外膜タンパク(outer-membrane protein;OMP)、菌体表層多糖(polysaccharide;PS)および内毒素(lipopolysaccharide;LPS)を分離精製し、これらの標品がヒト歯肉線維芽細胞(HGF)から炎症性サイトカインであるIL-6およびIL-8の産生を誘導するか否かを検討した。その結果、P.gingivalis LPSだけではなく、OMPおよびPSも有意にHGFから炎症性サイトカインを誘導することがわかった。また、それぞれの標品に対するウサギ免疫血清は、その当該標品のサイトカイン誘導能だけではなく、菌体超音波破砕上清の誘導能も有意に阻害した。以上の結果から、P.gingivaliの菌体表層構造物は、炎症によって引き起こされる歯周組織破壊のみられる歯周病に対して病原的役割を果たしている可能性が示唆された。 Actinobacillus actinomycetemcomitansは、デンタルプラーク中に棲息する通性嫌気性のグラム陰性桿菌であり、若年性歯周炎および成人性歯周炎に深く関与しているだけではなく、細菌性心内膜炎、敗血症および髄膜炎などの起因微生物としても報告されている。本菌種は、病原性因子として付着にかかわる線毛、RTXファミリーに属するロイコトキシン、多彩な活性を示す内毒素などを保有していることが知られている。血清型bのA.actinomycetemcomitans ATCC 43718から菌体表層多糖抗原を分離・精製し、それらの標品の抗原性をモノクローナル抗体を用いて検討した。A.actinomycetemcomitansから得られた2種の表層多糖成分は、LPSに対するモノクローナル抗体の反応性およびウサギ免疫血清の反応性から、異なる抗原性状を有していることがわかった。一方は、モノクローナル抗体と反応性のあるLPSあるいはLPSの一部を有する画分てあり、他方は血清型b特異抗原を含む画分てあることがわかった。
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[Publications] Saito, T., Takatsuka, T., Kato, T., Ishihara,K and Okuda,K.: "Adherence of oral streptococci to an immobilized antimicrobial agent" Archs.oral.Biol.42. 539-545 (1997)