1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08672108
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
佐藤 恵美子 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (60111001)
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Keywords | マウス歯胚 / 器官培養 / EGF / BrdU / プロテオグリカン |
Research Abstract |
マウス胎仔15日目の培養歯胚にEGFを添加すると、無血清培地では、咬頭形成が抑制され、無咬頭あるいは極めて浅い咬頭となり、血清含有培地では、歯乳頭の中にエナメル器が不規則に増殖し異常な咬頭形成が惹起されることを報告し、これらの形態形成の抑制および異常がどのような機序で生じるのかを解明するために本研究を行った。まず、培養歯胚にBrdUを取り込ませて増殖活性を検索した。その結果、エナメル器においては、無血清および血清含有培地ともに、EGF無添加の対照群では、裂溝形成部位の内エナメル上皮に増殖活性が限局して認められ、EGF添加群では、限局性は認められず内エナメル上皮全体に活性が認められた。一方、歯乳頭においては、対照群では増殖活性が歯乳頭全体に認められ、EGF添加無血清培地ではエナメル器直下の歯乳頭細胞に対照群と同程度の活性が認められたが、歯乳頭中央部では極端に減少していた。EGF添加血清含有培地では、歯乳頭全体に活性が認められ、対照群よりわずかに上昇していた。次に、各種抗体およびレクチンを使用して細胞表面および細胞外基質分子の発現を免疫組織化学的に検索した。その結果、フィブロネクチン、コラ-ゲI,III型、複合糖質の染色性には差異は認められなかった。しかし、抗プロテオグリカン抗体の一つである2B6抗体の染色において、対照群では歯乳頭に強い陽性反応が認められたが、EGF添加無血清培地では、エナメル器直下の歯乳頭には陽性反応が認められるものの、中央部では著しく減少していた。EGF添加血清含有培地では、対照群と同様に歯乳頭全体に陽性反応が認められた。以上のことより、EGF添加による形態形成の抑制および異常には、内エナメル上皮の増殖部位の変化と歯乳頭中央部の増殖活性および細胞外基質分子の変化が関与しているように思われた。現在、同様な変化がどのような成長因子の添加の組合せによって起こるのかを解析中である。
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