1996 Fiscal Year Annual Research Report
甘味抑制ペプチド,グルマリン結合能を指標とした甘味レセプターのクローニング
Project/Area Number |
08672123
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
井元 敏明 鳥取大学, 医学部, 助教授 (10109639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 克己 鳥取大学, 医学部, 助手 (30208011)
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Keywords | 甘味レセプター / 甘味抑制ペプチド / グルマリン / ギムネマ・シルベスタ |
Research Abstract |
味覚とくに甘味と,おそらく苦味受容の初期過程には,Gタンパク質と共役したレセプターが関与していることが,,味細胞に特異的に発現しているレセプターファミリーのクローニングや,ノックアウトマウスによって示唆されているが,機能をもつ実体としてのレセプターは未だ同定されていない.本研究はガガイモ科に属するギムネマ・シルベスタから単離した甘味抑制ペプチト,グルマリンが,ラット,マウスの甘味レセプターと強く結合すると考えられることから,この結合能を指標として機能面から甘味レセプターの同定を行おうとするものである. ラットについては,茸状乳頭組織に由来するグルマリン結合タンパク質の存在をすでに確認しているが,cDNAライブラリーを作成するためには,味蕾組織が高い密度で存在する舌根部有郭乳頭を用いるのが効率的と考えられる.とくに本研究をマウスに応用する場合にはこのことが必要であるが,有郭乳頭は舌咽神経の支配を受けているため,グルマリン感受性が茸状乳頭と同じであることを確かめておく必要がある.さらに,マウスについてはグルマリン感受性に顕著な系統差がみられるが,これがグルマリン感受性タンパク質の存在と相関していることも確認しておかなければならない.以上の点を検討した結果,有郭乳頭を支配する舌咽神経の活動でみる限り,甘味応答はグルマリンによってほとんど抑制を受けないことがわかった.一方,マウスにおいては,グルマリン感受性を示す系統においてのみグルマリン結合タンパク質が存在していることが,茸状乳頭由来タンパク質のウエスタンプロッテイングにより確かめられた.以上の結果に基づいて,現存ラットの茸状乳頭組織を集めて,cDNAライブラリを作成中である.
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