1996 Fiscal Year Annual Research Report
ムシ虫成因多糖とエナメル質表面相互作用の多面的解析
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08672135
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
小川 宏蔵 大阪府立大学, 先端科学研究所, 教授 (60100187)
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Keywords | Streptococcus sobrinus / Streptococcus Salivarius / α-Glucan / α-1,3-Glucan / エチレングリコールキチン / エチレングリコールキトサン / X線回析繊維図形 / コンホメーション解析 |
Research Abstract |
唾液細菌であるStreptococcus sobrinus(旧名Streptococcus mutans)とStreptococcus salivariusのそれぞれが産出するα-Glucansの延伸フィルムを作製し、それらを熱処理して結晶化し、X線回析図形を測定した。S. salivariusのGlucanは繊維図形を示し、バックボーン鎖であるα-1,3-Glucanはよく延びた2回らせん(ジグザグ)構造を採っていることが明らかとなったが、側鎖の構造については情報は得られなかった。一方、S. sobrinusが産出するGlucan(虫歯生成要因であるプラークを形成)では粉末図形のみを示し、繊維図形は得られなかった。これはこのGlucanの分子量が低いために、分子鎖が配向しなかったためと考えられる。そこで、得られた粉末図形に基づいて結晶のシミュレーションを行った結果、このGlucanでも主鎖のα-1,3-Glucan分子鎖がジグザグ構造を採っていることが明らかとなった。また、α-1,6-Glucanのコンホメーション解析をおこない、その結果に基づいて、主鎖Glucanに1,6-結合して歯のエナメル質に粘着する要因と考えられている側鎖α-Glucoseが採りうるいくつかの立体配座が得られた。 また、プラークを形成するGlucanと複合体を作ることによって、虫歯防止の作用がある予想されているキチンとキトサンのエチレングリコール(EG)誘導体についても配向試料を作製し、それぞれの繊維図形を得、エネルギー計算を併用して解析をおこなった結果、バックボーン分子鎖はいずれも2回らせん構造を採っており、それらの断面図をみると、誘導体全体の立体構造には相違があるとしても、キチンの6位の酸素原子に結合した側鎖EGとキトサンの3位の酸素原子に結合したEGがそれぞれのバックボーン鎖と直線構造を採っており、この構造がGlucanとの複合体形成に関与することが予想される。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] K. Ogawa et al.: "Chain Conformation of Deacetylated Beijeran Calcium Salt" Biosci. Biotech. Biochem.60・3. 551-553 (1996)
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[Publications] K. Ogawa et al.: "X-ray Study of Chitosan L-and D-Ascorbates" Chemistry of Materials. 8・9. 2349-2351 (1996)
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[Publications] T. Yui, K. Nakata, K. Ogawa: "Conformations of Ethylene Glycol Derivatives of Chitin and Chitosan" Bull. Univ. Osaka Pref., Ser. B. 48. 125-129 (1996)
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[Publications] K. Ogawa et al.: "Complex Formation of 1, 3-β-D-Glucan with Some Azo Dyes" Bull. Univ. Osaka Pref., Ser. B. 48. 131-134 (1996)
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[Publications] K. Ogawa et al.: "X-Ray Study of Beijeran Sodium Salt" Carbohydr. Res.(in press). (1997)
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[Publications] 小川宏蔵: "<解説>多糖類の立体配座を見る-今なおX線解析-" 化学と生物. 35(印刷中). (1997)
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[Publications] K. Ogawa (S. Dumitriu Ed.): "Structural Diversity and Functional Versatility of Polysaccharides" Marcell Dekker, Inc., New York (in press), 750 (1997)