1996 Fiscal Year Annual Research Report
血中からエナメル質へのカルシウムの輸送経路と輸送機構の解明
Project/Area Number |
08672145
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
清水 正春 鶴見大学, 歯学部, 教授 (40064357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川本 忠文 鶴見大学, 歯学部, 助手 (60148046)
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Keywords | エナメル芽細胞 / カルシウム輸送 / オートラジオグラフィー / エナメル質形成 |
Research Abstract |
生理的食塩水に溶解した^<45>CaCl_2(3.7Mbq、0.05ml)を9日齢ラットの腸骨静脈内に投与し、4.3、6.1、7.8、10.6、13.7秒後に液体窒素中で全身凍結した。凍結ラットの下顎切歯からクリオミクロトームで厚さ4μmと7μmの凍結縦断切片を作製した。凍結乾燥後、マクロレベルのオートラジオグラヒィーには、厚さ7μmの凍結乾燥切片にX線フィルムを密着し、3週間の露出を行った。光顕オートラジオグラヒィーには、厚さ4μmの凍結乾燥切片にオートラジオグラヒィー用乳剤から作製した厚さ約2μmの乾燥乳剤膜を密着し、-80℃中で露出した。4週間の露出後、現像処理、H-E染色を行ってから共焦点レーザー走査顕微鏡で観察し、次の結果を得た。 放射性カルシウムの投与4.3秒後のオートラジオグラムでは、基質形成期と成熟期のエナメル芽細胞の近位部に放射能が認められるが、その遠位部とエナメル質には放射能は検出されなかった。基質形成期と成熟期のsmooth-ended ameloblast(SA)領域のエナメル質中には投与6.1秒後に、ruffle-ended ameloblast(RA)領域のエナメル質には10.6秒後に放射能が検出された。これらの結果からエナメル芽細胞層をカルシウムが通過するのに要する時間は、基質形成期とSA領域では1.8秒以内、RA領域では3.5-6.3秒の間であることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)