1996 Fiscal Year Annual Research Report
電離放射線による細胞の分化とアポトーシスの分子機構に関する研究
Project/Area Number |
08672162
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
河野 一典 鹿児島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (50108750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野井倉 武憲 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (40102561)
丸山 征郎 鹿児島大学, 医学部, 教授 (20082282)
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Keywords | 電離放射線 / 細胞分化 / 神経細胞 / アポトーシス |
Research Abstract |
今回の研究は、電離放射線が細胞の分化および細胞死、特にアポトーシスにおいてどのように関与しているかを、細胞内のシグナル伝達機構を中心として分子生物学的に解明することを目的として行った。 (結果) 1 放射線の培養細胞での細胞分化に及ぼす影響について調べるために、神経細胞への分化能を持つPC12細胞を用い放射線照射後の細胞の形態学的変化を経時的に調べた。20GyのX線照射24時間後より neurite outgrowthがみられPC12細胞の神経細胞への分化が認められた。また、neurite outgrowth の程度はX線の照射線量に依存して増加した。PC12細胞の神経細胞への分化はneurofilament の免疫組織染色でも確認された。 2 PC12細胞はcAMP,IL-6などのサイトカイン刺激によっても神経細胞への分化が報告されている。そこでX線照射後の種々のサイトカインの発現について調べたところIL-6の高発現がみられ、また放射線による neurite outgrowthの程度は抗IL-6抗体により抑制された。このことからPC12細胞では放射線による神経細胞への分化にはIL-6を介した機構があることが推測された。 3 HL60細胞では放射線による顆粒球や単球、マクロファージへの分化は認めなかった。 4 放射線誘発アポトーシスについては、PC12、HL60細胞ともにDNAラダーは示さず、PC12細胞ではむしろ神経細胞への分化により放射線による障害から回避している可能性が示された。
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