1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08672183
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
海老原 新 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (60251534)
|
Keywords | レーザー / Er:YAGレーザー / 根尖切除術 / 切削能率 / 色素浸透 |
Research Abstract |
Er:YAGレーザーを根尖切除術に臨床応用するための基礎的検討を行った。 〈実験方法〉実験1:ヒト抜去単根歯を用いた。Er:YAGレーザーを用い、注水下にて抜去歯の根尖3mmを切除した。照射条件は70mJ10ppsとした。対照として、電気エンジンで根尖切除したものを用い、SEM観察を行った。また、Er:YAGレーザーのガッタパ-チャと金銀パラジウム合金への影響についても併せて検討した。 実験2:ヒト抜去単根歯を用いあらかじめ根管充填し、実験1と同条件でEr:YAGレーザー、電気エンジンで、それそれ5本ずつ根尖3mmを切除し、切削能率を比較した。さらに、根尖切除面における色素浸透性試験を行った。 〈結果および考察〉実験1:レーザー切削による切除面には凹凸があるものの、スメア層は見られなかった。電気エンジンによる切削面は平滑であったが全体がスメア層で覆われていた。ガッタパ-チャは、レーザー照射により炭化を伴う蒸散を生じ、クレーター状の陥凹が形成された。金銀パラジウム合金にほとんど変化は見られなかった。 実験2:切削能率はレーザー切削で14.8(±7.3)秒/mm^2、電気エンジン切削で4.4(±1.7)秒/mm^2であった。根尖切除面からの色素浸透距離はレーザー切削で0.95(±0.37)mm、電気エンジン切削で1.07(±0.70)mmで両者には差は見られなかった。 Er:YAGレーザーによる切削は従来法に比較して切削効率について劣るものの、切除面にはスメア層がなく、また色素浸透性に差がないという結果が得られた。さらにin vivoにおいて検討する必要があるが、根尖切除術にはEr:YAGレーザーを臨床応用できる可能性が示唆された。
|