1996 Fiscal Year Annual Research Report
早期発症型歯周炎における多形核白血球Fcレセプターフェノタイプの解析
Project/Area Number |
08672184
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小林 哲夫 新潟大学, 歯学部, 助手 (00215344)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 卓 新潟大学, 歯学部, 助手 (00251827)
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Keywords | 早期発症型歯周炎 / 多形核白血球 / Fcγセプターフェノタイプ / PCR / IgGサブクラス / 歯周炎再発率 |
Research Abstract |
1 歯周炎患者の末梢血中多形核白血球(PMN)のFcγレセプターのフェノタイプ 107名の歯周炎患者(早期発症型歯周炎患者26名、成人性歯周炎患者101名)および健常者105名における末梢血PMNのFcγレセプターII,III(FcγRII,FcγRIII)それぞれのフェノタイプをモノクロナール抗体とフローサイトメーターを用いて決定した。更に、再度PCR法にてフェノタイプの確証を行った。その結果、いずれのフェノタイプの分布も、歯周炎患者と健常者との間に有意差は認められず、早期発症型歯周炎患者と健常者との間でも同様な傾向が認められた。また、同患者のメインテナンス中にみられた6カ月あたりの歯周炎再発率について調べたところ、FcγRIII-NA2/NA2タイプ患者(mean【.+-。】SD:2.22【.+-。】1.96)がFcγRIII-NA1/NA1タイプ患者(0.91【.+-。】0.94)に比べて有意に高い再発率を示した(p<0.01)。また、FcγRII-R/R131タイプ患者(3.20【.+-。】4.15)もFcγRII-H/H131タイプ患者(1.30【.+-。】1.44)に比べて有意に高い再発率を示した(p<0.05)。 2 歯周炎患者の血清中IgGサブクラスの濃度 同患者の血清IgGサブクラス濃度をELISAにて測定した。その結果、いずれのサブクラス濃度も各フェノタイプ間で有意な差は認められなかった。 以上の所見から、FcγRII-R/R131及びFcγRIII-NA2/NA2タイプは、歯周炎の再発に関わる新しいリスクファクターとなる可能性が示唆された。しかしながら、今回FcγRII-R/R131タイプ患者はわずか7名(6.5%)のみであり、フェノタイプの分布には民族差があることから、今後は他民族を含めた疫学的検索が必要と思われる。
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