1996 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞の分化過程における細胞接着分子の関与の解明
Project/Area Number |
08672198
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
阿南 壽 九州大学, 歯学部, 講師 (80158732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 龍誠 九州大学, 歯学部, 助手 (20205008)
橋口 勇 九州大学, 歯学部, 助手 (10150476)
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Keywords | 接着分子 / 破骨細胞 / 骨芽細胞 / マクロファージ / ICAM-1 / LFA-1 / インテグリンβ_3 |
Research Abstract |
慢性辺縁性歯周炎や根尖性歯周炎などの骨吸収を伴う疾患においては、破骨細胞が重要な役割を担っている。これまでの広範な研究により、破骨細胞に単球、マクロファージ系列の細胞に起源をもつことが証明されており、破骨細胞が前駆細胞から成熟するための最終分化には骨芽細胞系細胞との接着が必要であることが知られている。しかしながら、これまでの研究は培養系での解析にとどまっており、炎症局所での細胞レベルの報告はほとんど認められない。 そこで、本研究では破骨細胞の活性化に関与すると考えられる各種の細胞接着分子の解析を目的として、まず骨吸収部位におけるintercellular cell adhesion molecule-1(ICAM-1),leukocyte function-associated antigen-1(LFA-1)、インテグリンβ_3の発現について検索した。実験は5週齢ラットに根尖性歯周炎を惹起し、PLPによる灌流固定後、標本を採取した。その後、EDTA脱灰を行い通法に従い凍結切片を作製し免疫組織学的に検索した。その結果、術後3日目では病巣付近の骨面上に破骨細胞の著しい増加が観察された。また、骨吸収部に近接した血管内皮細胞にICAM-1の発現を認めるとともに、比較的血管周囲に位置し単球-マクロファージ系細胞のmarkerであるEDI抗体に陽性を示す単核細胞にLFA-1の発現が観察された。一方、インテグリンβ_3は炎症局所において破骨細胞を含めた多週類の細胞に陽性所見が認められた。 なお現在、長期例の作製を含めた追加実験を行っており、骨リモデリングの各時期におけるマクロファージと細芽細胞および骨芽細胞と破骨細胞とのシグナル伝達機構における細胞接着分子の関連性について検討中である。
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