1997 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病の疾患活動性の判定法を確立するための基礎的研究-とくにTh1細胞とTh2細胞に注目した免疫学的判定法について-
Project/Area Number |
08672199
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
原 宜興 長崎大学, 歯学部, 助教授 (60159100)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 康男 長崎大学, 歯学部, 助手 (90274670)
鵜飼 孝 長崎大学, 歯学部, 助手 (20295091)
阿部 嘉裕 長崎大学, 歯学部, 助手 (70202687)
加藤 伊八 長崎大学, 歯学部, 教授 (30005087)
|
Keywords | IFN-γ / IL-4 / 歯周炎 / 免疫組織学的検索 |
Research Abstract |
抜歯あるいは歯周外科時に採取した歯肉におけるIFN-γあるいはIL-4保有細胞を免疫組織学的に観察することで、両サイトカインの歯周炎罹患歯肉における役割を推測しようと考えた。歯周炎が原因で抜歯する場合あるいは歯周外科時に、ポケット深さおよびプロービング時の出血(Bleeding on probing BoP)などの臨床的パラメーターを測定した後、歯肉を損傷しないように採取した。これよりAMeX法に基づいたパラフィン連続切片を作製し、10枚おきにH.E.染色、抗IFN-γモノクローナル抗体、抗IL-4モノクローナル抗体を使用した免疫組織学的検索を行った。採取した歯肉を抜歯時のもの(無処置群)、歯周外科処置時に深いポケットが残存しているもの(処置群1)と浅いポケットのもの(処置群2)に分けて比較すると、歯肉単位面積あたりに存在するIFN-γ保有細胞は無処置群が多く、次いで処置群1、処置群2の順であった。さらにプロービング時の出血の有無で分類すると、BoP+の歯肉においてIFN-γ保有細胞が多く、IL-4保有細胞は少なかった。また歯肉に浸潤している炎症性細胞の多寡で分けると、炎症性細胞浸潤の強い歯肉においてIFN-γ保有細胞が多く、IL-4保有細胞は少なかった。すなわちIFN-γ保有細胞とIL-4保有細胞はほぼ逆の傾向を示していた。以上のことから、IFN-γが歯周炎の活性と関連しており、IL-4は抑制的に働いている可能性が示唆された。
|