1997 Fiscal Year Annual Research Report
歯周組織再生誘導法による歯槽堤増大の実験病理的研究
Project/Area Number |
08672210
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Research Institution | KANAGAWA DENTAL COLLEGE |
Principal Investigator |
堤 弘治 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (10247314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊海 博之 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (80277904)
児玉 利朗 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (20170269)
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Keywords | GBR / ロッド補強コラーゲン膜 / X線規格撮影 / デジタルサブトラクション |
Research Abstract |
Guided Bone Regeneration(GBR)は歯槽堤の増大において有用性が証明されているが、本法で使用される材料は非吸収性であるため、膜露出に伴う感染・材料除去の2次手術などの問題が指摘されてきた。そこで本研究では、形態付与性を有する吸収性膜を開発し、イヌ骨欠損モデルを作製後歯槽骨欠損に対して歯槽骨の再生の可能性について検索することを目的としている。 イヌ下顎左右側第1後臼歯抜去後3カ月で本実験を行った。実験は無歯顎部の歯肉弁の切開剥離を行い近遠心幅5mm、深さ5mmの頬舌側にわたる広範な骨欠損を作製した後、高さ約5mmのスペースが確保できるようロッド補強コラーゲン膜によって骨欠損を被覆したものを実験群とし、対照群は骨欠損作製後歯肉弁の復位縫合を行った。実験終了後、同部のX線規格撮影を行った後、術後12週で屠殺し、再度X線規格撮影を行った。X線写真は骨欠損作製直後のものと実験期間終了時のものとを比較し、デジタルサブトラクションによりその再生量について解析した。また、通法に従い病理組織標本を作製し、病理組織学的に検索を行った。 X線学的には実験部周囲既存骨の変化量は対照群において多く認められ、また実験部における再生量は実験群において多く認められた。病理組織学的には対照群で歯槽骨頂部における陥凹が著名に認められ、実験群では既存歯槽骨骨頂部とほぼ平坦に移行した状態で骨の再生が認められた。また新生骨と既存歯槽骨との境界は比較的不明瞭であった。実験群においては、コラーゲン膜の残存はほとんど認められず、膜設置部位周囲における炎症性細胞の存在も観察されなかった。
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[Publications] 堤弘治 他7名: "歯周組織再生誘導法を応用したRidge-augmentationの病理学的研究" 日本歯科保存学雑誌. 37巻3号. 1055-1062 (1994)
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[Publications] 木次大介 他6名: "アテロコラーゲンスポンジの抜歯窩治癒過程に及ぼす効果について" 日本口腔インプラント学会誌. 10巻4号. 444-453 (1997)
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[Publications] 児玉利朗: "1回GTR法-吸収性メンブレン応用の実際-" 医学情報社, 136 (1996)