1998 Fiscal Year Annual Research Report
難治根尖性歯周炎における起炎菌のバイオフィルム形成の有無と有効薬剤の検討
Project/Area Number |
08672215
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
滝澤 久 鶴見大学, 歯学部, 講師 (90089425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 雅子 鶴見大学, 歯学部, 助手 (00217803)
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Keywords | 難治根尖性歯周炎 / 起炎菌 / バイオフィルム / グライコカリックス / 有効薬剤 |
Research Abstract |
生体内でのバイオフィルム形成の条件に近づけるため、試料瓶にcell diskを吊り下げて液体培地中に浸漬し微生物を付着させた。また培地の成分による影響を考慮して(1)TS Broth,(2)plasma添加 TS Broth,(3)plasma 添加生理的食塩水の3種の培地を用いた。被験微生物は難治根尖性歯周炎を有する根管から採取したPseudomonas aeruginosa,Staphylococcus aureus,Bacillus subtilis,Enterococcus faecalis,Candid albicansの5種で37℃で3、7、14日間培養した。 その結果 Candida albicansを除いて各微生物にglycocalyx様物質の産生が認められバイオフィルムを形成している可能性が示唆された。またplasmaを添加した培地においては短期間で産生すると共に増加傾向も見られることから、バイオフィルムの形成にplasmaの存在が大きいことが考えられた. バイオフィルム形有効薬剤を調べる目的で、上記と同様の方法によりplasma添加TS Broth中で7日間培養しバイオフィルムを形成させた後、FC(原液,10培希釈,100培希釈)、J(原液,10培希釈,100培希釈)、NaCIO(10%,5%,1%)、強酸性水中に15分間浸漬した。なおNaCIO、強酸性水はStaphylococcus aureusのみに行った.再度TS Broth中に浸漬し30秒間撹拌した後、37℃で24時間並びに48時間静置培養を行った。 その結果FC,Jは原液で用いると全ての微生物に効果を示した.しかし希釈するにつれ効果も減弱した.NaCIOも濃度依存性を示した。強酸性水は全く効果を示さなかった。難治根尖性歯周炎においては微生物は根尖近辺に残存している可能性が強く、かつ浸出液もあることから薬液濃度はかなり減少していることが考えられる。今後いかにしてバイオフィルムを破壊あるいは溶解していくか考える必要があると思われる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 中野雅子、滝澤久 他: "難治症例の根管から分離された微生物のバイオフィルム形成について" 日本歯科保存学雑誌. 41(春季特別号). 78 (1998)
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[Publications] 中野雅子,滝澤久 他: "感染根管から分離された微生物の実験的バイオフィルム形成について" 日本歯科保存学雑誌. 41(秋季特別号). 157 (1998)