1997 Fiscal Year Annual Research Report
咬合位の異常並びに咬頭干渉と顎関節症症状の関連性に関する生理学的研究
Project/Area Number |
08672230
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University, Faculty of Dentistry |
Principal Investigator |
谷田部 優 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (10182354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋重 智司 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (30272602)
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Keywords | 身体化症 / 顎関節症 / 咬合 / 筋電図 / クレンチング / ブラキシズム |
Research Abstract |
本研究では顎関節症の病因を素因、初発因子および永続化因子という観点から捉え、このうち特に素因の影響下に於ける顎関節症と咬合異常との関連性を検討した。 まず、顎関節症の素因の1つである心理学的状態の影響を明らかにする目的で、不安等の心理学的状態が歯科症状をきたしていると疑われる顎関節症患者の咬合位の異常についての検討を行った。測定は、咬合位の不安または咬合接触の異常感を強く訴えて来院した顎関節症症状を有する女性13名について、問診,顎機能診査,心理テストを行った.さらに咬合接触状態の確認,天然歯上での開閉口運動(タッピング運動)時の接触点の分布範囲の記録を行った.この結果、心理テストの精神的な自覚症状と咬合接触状態の測定値との間に負の相関が認められた.すなわち,心理テストで精神的自覚症状を多く訴えた患者ほど,咬合接触面積および咬合力が弱い傾向が認められた.これは咬合接触の不均衡が精神的自覚症状と関連が深いことを示唆するものと考えられる. つぎに、顎関節症の素因として捉えられているブラキシズム習癖があるものに咬合異常が生じた場合にどのような為害作用が生じる可能性があるかを実験的に研究した。実験は、個性正常咬合を有する、成人男子7名について、種々の咬合異常の存在下でのブラキシズムをシミュレートした咬みしめを行わせ,そのときの閉口筋活動パターンと下顎の変位を測定した。その結果、ブラシズムに代表される非機能的運動が片側性に生じた咬合異常(咬頭干渉)が生じた状態で行われると,同側の側頭筋の活動を亢進させ,対側の関節内圧力を向上させる可能性があることが解った。つまり,本研究結果は,ブラキシズム習癖という素因を持つ患者において,ある特定の咬合異常の存在は,特定の筋症状並びに関節症状をきたす可能性を示唆している.
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Research Products
(2 results)