1996 Fiscal Year Annual Research Report
アパタイト・コラーゲン複合膜のハイブリッド化と生体接着性改質
Project/Area Number |
08672233
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡崎 正之 大阪大学, 歯学部, 助教授 (30107073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 芳信 大阪大学, 歯学部, 助教授 (10144510)
平 雅之 大阪大学, 歯学部, 助手 (60179398)
寺岡 文雄 大阪大学, 歯学部, 助手 (00099805)
荘村 泰治 大阪大学, 歯学部, 講師 (10154692)
高橋 純造 大阪大学, 歯学部, 教授 (80029149)
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Keywords | アパタイト / コラーゲン / 複合膜 / ハイブリッド / 生体接着 |
Research Abstract |
従来から用いられている義歯は、咬合、味覚の面から見て十分とは言えず、最近脚光をあびているインプラント人工歯根も、生体の崇高な機能を考えた時、生体力学特性や生体親和性から見てまだまだ満足の行く材料とは言えない。我々は、このような天然歯と類似した機能を有する人工歯根を開発すべく、すでに人工歯根膜用素材としてのコラーゲンの不溶化に関する基礎研究や、天然歯根膜の力学特性を把握し得る波形データ処理システムに関する研究を続けている。この研究を進めて行くうちに、人工歯根膜をいかにして天然歯根、人工歯根材料や歯槽骨と接合するかが大きな問題となってきた。そこで本研究では、コラーゲン膜とアパタイト・コラーゲン複合体とのハイブリッド化を行い、軟・硬両組織に接着し得る人工根歯膜システムの開発を目指すことにした。 本研究の独創的な点としては、天然歯根膜の力学特性を生かした材料のバイオミメティック化、UV照射による不溶化、プラズマ照射、レーザ処理による複合膜表面の化学的、物理的改質による接着性の向上にある。本年度では、結晶性と化学組成が骨アパタイトに類似した炭酸アパタイトの合成が可能となり、アパタイト・コラーゲン膜の製膜手法が完成した。さらに、得られた膜表面並びに人工歯根材料表面を既存のプラズマ照射器およびレーザ照射器(備品)により処理し、既存の万能材料試験器により膜の引張強度試験や接着強度試験を検討したところ、化学的、機械的結合の向上が示唆された。また、ハイブリッド膜の表面性状についてSEM・TEM観察を行い、接着性改質の有無を確認し得た。来年度は、複合膜の接着最適条件を検討して行きたいと考えている。
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