1996 Fiscal Year Annual Research Report
金属アレルギーの原因となる口腔内修復物のイオン溶出の簡易測定法について
Project/Area Number |
08672248
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
古川 良俊 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (40156956)
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Keywords | 金属アレルギー / 口腔内イオン濃度 / 簡易測定法 / 機能的測定条件 / クロムイオン / ニッケルイオン |
Research Abstract |
金属アレルギーの判定には、皮膚に行うパッチテストで陽性金属を推定した後、口腔内修復物の金属を同定する必要がある。そこで、口腔内への金属イオン溶出量をチェアサイドで簡便に検出するための測定条件を確立する目的で以下の実験を行った。対象金属として、アレルギー陽性率の高く臨床での使用頻度の高いコバルトクロム合金とニッケルクロム合金を選択した。イオン濃度測定法として、分光光度計UV-1200Vによる測定と光電光度計ラムダ6000による測定(測定範囲:クロム0.02〜1.10ppm,ニッケル0.5〜8.0ppm)、さらに比色法測定パックテスト(測定範囲:クロム0.05〜2ppm,ニッケル0.5〜10ppm)を応用した。口腔内測定を前提とした機能的条件として、合金インゴットのまま生理食塩水に浸漬、合金微粉末を1%酢酸水に混和する3条件とした。 実験結果はインゴット浸漬ではクロム、ニッケルとも、どの方法でも測定範囲以下であった。合金微粉末を生理食塩水に混和(500mg/1)する条件では、クロム測定で分光光度計0.03ppm、光電光度計で0.04ppm、比色法で0.05ppmであった。ニッケル測定では全条件とも範囲以下であった。合金微粉末を酢酸水に混和(500mg/l)する条件では、クロム測定で分光光度計0.21ppm、光電光度計で0.27ppm、比色法で0.2ppmであった。ニッケル測定では分光光度計0.63ppm、光電光度計で測定範囲以下、比色法で1ppmであった。以上の結果より、被験者口腔内で行うイオン濃度簡易測定条件として、酸性飲料水中でグラインディング咬合を行うことが最も適することが示唆された。
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