1996 Fiscal Year Annual Research Report
高齢義歯装着者の精神および自律神経機能に及ぼす義歯の影響について
Project/Area Number |
08672249
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
児玉 厚三 岩手医科大学, 歯科部, 講師 (40205414)
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Keywords | 高齢者 / 義歯機能 / 精神心理特性 / 自律神経機能 |
Research Abstract |
[目的 高齢者義歯装着者の義歯の機能的状態が,精神および自律神経機能に与える影響を検討することを目的とした. [方法] 新義歯製作を希望して当科来院した患者のうち全身的に大きな疾患を有さない男女34名(66.5±8.61歳)を被験者とした.総義歯治療開始前および治療終了後(装着より1、2ヵ月)に総義歯機能アンケート(総着感,咀嚼・発音機能,適合性,維持安定,審美性などを含む37項目)により義歯に対する主観的満足度をVASにより評価し,同時に心理テスト(CMIによる身体的精神的健康尺度,Y-Gによる性格特性,MASによる不安尺度,MDによる抑うつ尺度)の施行による精神心理特性および自律神経症状調査表による自律神経失調症状を評価した. [結果] 1.旧義歯に対し新義歯装着後は満足度評価のすべての項目で有意に満足度が向上した. 2.新義歯装着後,心理テストより不安,怒り,抑うつ尺度は減少し,情緒安定,外向的へと移行した. 3.新義歯装着後、自律神経症状調査表より消化器系を中心に不定愁訴項目が減少した. 4.新義歯装着後、義歯のQuality(質)の向上は年齢と精神心理的変化の相関係数より,高齢者ほど強い改善傾向が示唆され,特に抑うつ傾向の減少が認められた. 5.加えて,これらの傾向は男性より女性に現れやすいことが示唆された. 以上より,高齢者にとって義歯の良否は精神心理的側面および自律神経機能に影響を及ぼすことが推察された.次年度はさらに被験者数を増やすとともに咀嚼機能検査および自律神経機能検査による客観的評価を追加する予定である.
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