1996 Fiscal Year Annual Research Report
脱アセチル化度の異なったキトサンを利用した練成方式の骨補填材の作製について
Project/Area Number |
08672263
|
Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
伊藤 充雄 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 教授 (70064681)
|
Keywords | キトサン / 骨補填材 / ハイドロキシアパタイト |
Research Abstract |
生体内に存在するCaとSiを用い、骨補填材を作製することは、偽害作用の防止や早期に骨形成を発現させることが出来ると考えられる。本研究は、抗原性の低いキトサンを結合材とし、ハイドロキシアパタイトを主成分とした骨補填材について行った。まず、キトサンをリンゴ酸で溶解してキトサンゾルとし、これをCaSiO_3とCaOにてゲル化させ、ハイドロキシアパタイト粒子を固定する方法である。一方、使用する練成方式の骨補填材としての材質で必要な項目としては、硬化時間は、操作性を良好にするために3〜5分とし、pH値の下限は、細胞が死滅しないようにpH4.5以上で上限は血液のpH値である7.8以下になるように成分を合成した。そして、圧縮強さは硬化した骨補填材に空孔が多く生じ、新生血管が内部に浸入しやすくすることを試みるためにあまり大きくならないことを目的とした。これらについて実験を行った結果、以下の結論を得た。 1.CaO量が、多くなると硬化時間は短くなった。 2.CaSiO_3量が、多くなると硬化時間は短くなった。 3.練和する粉末量が、多くなると硬化時間は短くなった。 4.CaO量が、多くなるとpH値は高くなった。 5.CaSiO_3量が、多くなるとpH値は高くなった。 6.練和する粉末量が、多くなるほどpH値は高くなった。 7.圧縮強さは、粉末量によって影響された。 8.練和する粉末量が、多くなるほどCaとSiの溶出量は増加した。 9.脱アセチル化度の低いキトサンを用いると、in vitroでは、長期間形態が維持出来なかった。
|