1996 Fiscal Year Annual Research Report
口腔前癌病変の悪性化に関与する遺伝子修復障害とゲノム刷り込み異常の解析
Project/Area Number |
08672280
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
千葉 逸朗 北海道大学, 歯学部, 助手 (50250460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 元昭 北海道大学, 歯学部, 助手 (90239765)
進藤 正信 北海道大学, 歯学部, 助手 (20162802)
守内 哲也 北海道大学, 歯学部, 教授 (20174394)
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Keywords | 口腔癌 / 前癌病変 / p53 / 遺伝子変異 / スリランカ / 噛みタバコ / 遺伝子の不安定性 |
Research Abstract |
申請者らは北海道大学歯学部附属病院口腔外科を受診し、病理組織学的に扁平上皮癌と診断された患者を対象に、その生検組織、あるいは外科切除組織を用い、p53遺伝子の異常ならびにヒトパピローマウイルス(HPV)の感染について検索し、高頻度にp53遺伝子の異常、HPVの感染を認めた(Oncogene, 12:1663-1668, 1996)。また、噛みタバコの習慣のあるスリランカの口腔癌、前癌病変(New England Journal of Medicine 投稿中)、あるいは口腔癌の動物モデルであるDMBA誘発ハムスター頬粘膜扁平上皮癌(第50回日本口腔科学会総会にて発表、Cancer Research投稿準備中)についても同様の検索を行い、それぞれの遺伝子異常の相違について検討した。 その結果、スリランカの頬粘膜癌ではp53のエクソン5に遺伝子の一部欠失を含む比較的大きな遺伝子異常が数多く認められた。これは日本人の口腔癌やDMBA誘発ハムスター頬粘膜扁平上皮癌ではあまり認められないことから、噛みタバコの成分中にp53遺伝子のエクソン5に特異的に異常をきたす因子が含まれていることを示唆している。このように遺伝子の特定の部位に異常が集積することから、噛みタバコ中の特定の成分が発癌物質としてp53遺伝子をはじめ、他の遺伝子の特定の部位にも異常をきたすという可能性が示唆された。このような報告は、中国でのアフラトキシンによる肝臓癌での研究以外には報告されていない。 なお前癌病変では今だ異常は認められていない。その理由として、正常組織の混入が避けられないために、異常がわずかに起こっていても検出できないのではないかと考えられたため、現在microdissection法を用いて、口腔癌、あるいは前癌病変の組織のみを顕微鏡下で切り出して、腫瘍抑制遺伝子やDNA修復遺伝子の変異、および遺伝子の不安定性の解析を進めている。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Chiba,I.,et al.: "Mutations in the p53 gene and human papilloma virasinfection as signiticant prognostic factors in squamous call carcinomas of the oral cavity" Cncogene. 12. 1663-1668 (1996)